Publishing Industryの勃興

Soreda2004-09-14



大島渚が戦メリを作っている頃に、デヴィッド・ボウイーを褒めて褒めて褒めまくりながら、その上で、その映画には坂本龍一が出ていたこともあるだろうし、なんといってもあの声、あの詩、デヴィッド・シルヴィアンがいたというここともあったのだろう、それらを総合したと思しきコメントとして、音楽の人は人がいい、俳優とかモノ書いてる人なんかと比べると、といっていたことがあった。何かで読んだか聞いた(ってことはないよな、当時はメイキングものとかないし…。でもMTV流行りだったから案外聞いて見たのかもしれない)私は、私自身別にどの業界の人間ってこともなかったし志向していたわけでもないのだが、なんだかとても分かるような気がしたのを覚えている。あの頃私も若かったなぁ、しかし・・・。激しく「ジャパン」のファンでした。武道館から通称ジャパン歩きと呼ばれた妙なと言えば妙な足取りで帰ってきたあの頃がなつかしい。


と、そういうことを思い出したのは、上に貼った「ウォッチドッグ」、見張り犬のせい。これが出て来たのは、このサイト。
http://watchdogs.himajin.jp/cgi/mt-tb.cgi/7

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リスナーとして注目させてもらうと同時に、watchdog[s]の[s]になることもあるかもしれないと思って、決意というほどのこともないけど、賛意表明に犬のロゴを張りました。


で、この話は、仲俣さんのところ(http://d.hatena.ne.jp/solar/)で読んで、当然のことながら同時に、「本関係者もやればいいのに」と思った。


しかし、本というのはこういう具合にはいかないんだろうなと2秒後に考え直した。というのは、本業界というのは、結局のところ、全産業の一部分だから。つまり、鉄鋼業界だろうがアルミ業界だろうが、半導体業界だろうが(オヤジくさい選択だが)、生物学業界だろうが、医者も弁護士もイベント屋もそして音楽屋もみんな本を出す。相応に特化した本屋さんなどは、出版業界の集まりには行かないかもしれないが鉄鋼、アルミetc.の業界集まりには行くだろう。

音楽だってクラシックとジャズとポップスと演歌は業界違いなんだろうが、それは業界内細目であって他業界との乗り入れがあるわけではない。

となると一般に出版業界と言われているのはどういう集まりなんだろうか。考えてみたこともなかったが考えるとどういう趣旨で集まるのだろうかと想像してもわからない。なんとなく、いわゆる文科系、文系というのと周縁が重なるようなイメージだ。ま、誤解だね、これは。そのへんのことは内部の編集さんには理解されているだろうが、一般的には考えられたことはないマターの1つかもしれないと思う。


この話にはまったくまとまりはないのだが、publishing industryの勃興、ってのを解きほぐす作業ってあってもいいような気がする。あきらかにこれは近代を読み解く鍵でもあるしね。なんだっけかあのパラダイムオーソリティ、ああそうクーン、あれは読み返したらものすごく難しくて私は一体昔何を読んだのだったかと深刻にならされた数冊の本のうちの1つだが、ともあれあれとか何か適当なメディア論を組み合わせながら、最終的にはpublishing industryというトロイの馬的な仕上げになれば面白いのじゃないのかなと想像。グーテンベルクからはじめたりしないで、聖書にでかいバリューをおかないで、もちっと近代が煮詰まってからのことを探ると。レジメ書いてどうする。あはは。