費用対効果のつづき

夕べの、NTT悪者論的「ビジネス戦略」の続きは、昨日のページで。
http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20040911#1094936566


で、アメリカが自由で電話料金が安くての続きで、私も含めて在外人の発言というのは注意して読む必要があると思う。殊に、短期滞在の人の意見は、基本的に、この人の今思いついた「感想」だな、と個人にのみ帰して読むべきかと思う。

たとえば、日本との比較で何かが安かったりするとそれはそれで自分としてはニュースなのでそう書く。そうすると、著者の意図として別にそれがすべてではないにしても、日本国内で読む人はそれがとってもいいことのように見える可能性はいつでも捨てられない。そうして、それが「自由」なるものと繋がっている話なのだといった、全体としては正しいかもしれないが個別の事情としてはどうだかわからないものが、無批判に広がる可能性は少なしとはしない。

一方で長期に滞在し、かつ、学生でも駐在員でない人は、もっと長いスパンで、たとえば支払った税金とか、受けられるサービスの中身や質、社会内に存在するリスクとその発生要因及び対策費用等々から考えていけば、ある物品、あるサービス1つが安いか高いかによってその社会が結構なものだとは考えないし、そうも言わないだろう。いう人がいたら、それは多分その人は日本の中でじっくりと住まいする機会がなかった人なのかもしれないと言ってみてもいいかと思う。つまり実社会体験がないうちに居住を変えたので、実際には社会と個人のライフスパンに対する考察を、日本に対しても非日本に関しても欠いている、と。

これはもちろん、自分の言動に関して厳に心すべしと思って書いている。