カート・ヴォネガット
8月29日のニューヨークのデモについてどこかに何か書いてないかと思って、こういう時は「ブナ林」さんちかなと思っていったら、別のものを見つける。
「愛しの図書館員さん」
I Love You, Madame Librarian
by カート・ヴォネガット
In These Times誌というシカゴの新聞の2004/08/06付けコラムだそう。
「暗いニュースリンク」さん(?)というサイトの方が訳されたものだそうです。リンクさせてもらちゃいます。
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/08/post_5.html
原文は、
http://www.inthesetimes.com/site/main/article/i_love_you_madame_librarian/
「華氏911」を枕にして、
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本を焼くといえば、図書館員の方々に祝辞を言いたい。肉体的にはそれほど剛健でもなく、政府とのコネもなく、金持ちでもない彼等は、民主主義に反する横暴な連中が、書棚からある種の書籍を取り除こうとするのを断固として阻止し、その書籍を借りた顧客の個人情報を思想警察に受け渡すことを拒否している。
私の愛するアメリカは未だ存在しているが、それはホワイトハウスや最高裁や上院や下院、メディアの中にはもはや見当たらない。私の愛するアメリカは、公立図書館の受付デスクに存在しているのだ。
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ほんとになぁと、嘆息。
全然関係ないような、しかし関係あるようなで、私も実は図書館の人々には一般的な感謝以上の特別な感慨を持っている。
去年、サーズの問題があった頃、北米の図書館員さんたちの協会の大きなシンポジウムがトロントで予定されていた。そして、キャンセルせずにやっていた。山のようにキャンセルが相次いだ中で。私は心底感心した。別に特攻的勇気なのではなくて人々はとてもリアルなのだと思った。日本のお医者さんたちが恥知らずにも、中がどうなっているのかではなくて、一般論にかこつけて恐怖を煽っていた頃に。
私たちはだって何ごともなく暮らししていたのだったよ、まったく。
ふと思えば、あれって何かの、そうメディアの実験でさえあったのじゃないかったかと思う。
第09回 静かな総力戦:SARS下トロン トの150日
http://www.shobunsha.co.jp/html/owaranai/09.html