パシフィストからポピュリズムへ?

参院選
自民敗北なら外交足場作り困難に 英週刊誌
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20040710k0000m010067000c.html


英週刊誌と書くとだいぶニュアンスが違うわけだが、The Economistがこのものすごい政治的なタイミングで記事を出している。原文が読めない(泣)。紙版解約してしまった(泣泣)上にこの記事はプレミアムだそうでネットじゃ読めない。なんてタイミングだ。ちょっとそのへんで読んでこようと一応考えている。


で、小泉のやってきたことは、日本のパシフィズムの限界を試そうとしたもので、毎日さんの解説によれば、

「日本が国連安保理常任理事国入りしたり、欧州におけるフランスのような独自外交を進めることが見込めない以上、外交的影響力を行使する最も賢い方法は巨額の予算をつぎ込んでいる軍事力を使うことである、と小泉外交の背景を分析した。」

だそうだ。冷静に見て、つまり、いわゆる国際協調派路線は断念してる、ってことを言いたいのか? 

しかし、だとしたら「11日投票の参院選自民党が敗北すれば、外交政策の足場を再び築くのは困難になるだろうと予測した。」というのはなんだ?


小泉路線ポピュリズム=軍事力行使型=独自外交路線できない、
だとしたら、小泉自民党が負けたら、これができなくなる。 
だから、小泉自民が勝ったら、できなくなるのは、独自型とここで言われている、軍事型ではない外交政策の足場を再び築くのは困難になる、だ。


だとすると、「自民敗北なら外交足場作り困難に」というタイトルはなんかおかしい。そもそも、外交政策の足場とは極めて抽象的で、軍事だってパシフィスト型だって外交だ。ということは、私が推測するに、書いてあったのは「the 外交政策、その外交政策」ができなくなる、ではないのか?


つまり、小泉自民が負けたら、軍事型の外交政策の足場はなくなる、と言っている。
だからThe Economist的には、小泉自民が勝ったら日本は従来のパシフィスト型をやめて軍事型になる、さあ見物ですね、だろう。


ところが、毎日のタイトルは「自民敗北なら外交足場作り困難に」なわけで、これではまるで自民が負けたら日本は外交ができなくなるみたいだ。意味内容としてはまったくとは言わないけど、不正確で、自民が負けたら大変なことになりますよと煽っているみたいだ。これが意図なのか、この記事?

ちなみに原文タイトルは「From pacifism to populism 」。
http://www.economist.com/world/asia/displayStory.cfm?story_id=2896907


これもつまり、選挙戦だからでしょうか? しかし、それにしても・・・。


ちなみに、誰でもわかることだけど、パシフィストの反対においたポピュリズムはこの場合は、軍事型と考えていいでしょう。それがわかるのは、無料部分で読める、この冒頭。

「As Japan begins to stretch its long-unused military muscles, how far does it want to go and what can it do?」

直訳すると、長い間使わなかった軍事的筋肉を伸ばしはじめ、日本はどこまで行きたいのか、そして何が可能なのか、と。普通は、さすがに筋肉などとは訳さずに、military musclesときたら、軍事力と訳されているはず。