カナダの選挙:日本の大メディアの報道検証

日本の大メディアって本当に仕事が簡単。

カナダ総選挙:自由党政権維持、25年ぶりの少数政権に
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20040630k0000m030109000c. html

カナダの総選挙を論じるにしても、Globe&Mail(新聞)をさっき読んで書いちゃう、みたいなのでいいんだものなぁ、簡単でいいよなぁとしみじみ思う。個人たる私は夕べ開票をみながら、ある程度「読み」で書いているわけだが、そういう「危ない」ことはしないでいい。

しかも、実際には、これを出しているのはニューヨークに滞在している記者の人じゃないのかなと想像。一応発信名が「オタワ」になっているんだけど、記事の最後には「ニューヨーク」とある。同じ人が。日本の大手メディアはカナダには拠点ないですよ。

ってことは、外信の発信地とは、たとえ東京で書いても「オタワ」と書けるという社内ルールなのか? 毎日新聞さん。

それはともかく、どうして自由党(リベラル)の選択になったかの分析をしていて、

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イラク派兵問題は選挙戦で大きな争点にならなかったものの、有権者は保守党のハーパー党首が極めて親米的で派兵に積極的だと警戒した。国連加盟国に多国籍軍への派遣を呼びかけた安保理決議1546が採択されたが、主権移譲後もイラク暫定政府は依然、米国の強い影響下にある。イラク戦争への嫌悪感が根強いカナダ国民は派兵選択の意味をまだ、見いだせないようだ。

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ある程度当たりですが、実際争点じゃないんですよ。二義的な争点でしかない。それよりヘルスケア及び教育にどれだけお金を使うか、で大きな分岐点がありますから。

が、日本及びアメリカのバイアスから見ると、そこに焦点が必要なんでしょう。だからこう書く。というか中身を見てないのかもしれない。

そして、「派兵選択の意味をまだ、見いだせないようだ」って何? まだもクソもなく、本気で他の欧州勢と一緒にどうやって凌ごうかを考えていると思うんだが(笑)。争点にならないのはこの件に関してあまりブレがないっていう意味でもある。

これって、アメリカ人に言われたまんま書いたんじゃないのか? 笑うぞ、ほんとに。

アメリカの新聞が書くのはアメリカにとって必要なこと、それを日本の新聞がマネしてどうするんだ?