すっかり忘れてたUSA Todayのイラク人アンケート

人質問題に気を取られてその後を過ごしていたのでうっかりしていたけど、4月 の終わりにUSA Todayに、イラク人のアンケートがでていた。
http://www.usatoday.com/news/world/iraq/2004-04-29-key-findings2.htm

結論としてとても冷静なイラクの皆様というしかないアンケートで、多分この結 果がアメリカで相当読まれているこの新聞に出ていた理由は、「そういうわけで、 強硬路線はしないかもね」という作戦の一部なのかなと思ったりした。

ある程度効果は引き出して(例えばフセインがいなくなったことはよかったって 思っているイラク人、とか)、統治についてはアメリカは殆ど全く信用されてい ないのだということを比較的冷静に認めるための布石のようにも思える。

で、内容的に、イラクの人の答えには、反米一本やりで永久闘争でもしそうな日 本の新左翼のような感じはどこにもなくて(すんません、言い方トゲがあります ね)、反米は反米だろうけど、将来は多分ヨーロッパ型の体制になるんだろうと 考えている人が過半数だったりする。ま、西欧って書くべきだと思うんだが、ア メリカ人のアンケートだから、そこらへんはいいとしよう(笑)。

アンケートの見え見えの位置に、アメリカのinvasion以降暮らしはどうですか、 の質問があって、この答えが、全体で、

うんとよくなった 11
なんとなくよくなった 31
だいたい同じ 17
なんとなく悪くなった 24
うんと悪くなった 15

というのが意外といえば意外。もちろんアンケートに疑義をはさんでもいいでしょ う。が、これを除け、バグダッド、スンニ、シーク、クルド、非クルドと分けて 数を取っていることもいいと思うし、なかなかちゃんとやっているなと思った。

そうそう、去年何回も書いたけど、アメリカのイラクへの戦争は、アメリカ人 はそれをinvasion(侵攻とでも侵略とでも)と考えていて、それにもかかわらず 必要だと思ったから戦争をしたというのが筋。するべき戦争だったとごねるだ ろうが侵略じゃない、などとは言わない。あと、国家の威信はかけるけど、国 家の運命を賭けてるつもりもないでしょう(ただ、今回は結果的にマズイことが 起こる可能性を引いていると思うが)。このへん、日本では根本的に理解されて いないのではないかと常々思う。善悪、易命革命的なのかな。