相当ポリティカルな話じゃないの、これ/自己責任と年金

仲俣暁生さんのサイトをふらりと覗いたら、
http://d.hatena.ne.jp/solar/

著作権法改正でCDの輸入が規制される?

という事態を受けてのシンポジウムの案内があった。

サイトをくぐっていったら詳しいサイトに行合ってしばらく読んだがそれでも「はてな?」だった。シャレじゃない。

一言でいえば、日本でCDが発売されているまたはそうなる場合には、そのCDの海外版は輸入できない。輸入禁止処置を取るという法案ができそうなのだそうだ。

輸入版と国内版が同居しているでしょ、あれができなくなる。

そのぐらい何が悪いの?と考える人もいるだろうが、同価のものがただ値段があがるだけでなくて、並行輸入業者はあがりの大きい部分でまかなっていたであろうと推測すれば、マイナーものが国内に入りにくくなるのはすぐ考えつく。

全体として、高いCDだけが残るわけだから買わない選択肢を取る人も増えるだろう。だったら音楽業界のパイを縮小するための法案を出しているも同然と見える。

で、この利益はどこにあってどうしてその法案が「通りそうだ」なのか? これがわからんかった。

サイトを読んでわかったのは、この法案が最初に導入されるべし、と考えられたのは、中国で安価に製作されるCDが国内に逆輸入されるのを恐れたため、なのだそうだ。そりゃそうだ、うん、よしわかった、と議員は納得する。

ところが、対中国と限定してやるのではなくて著作権法の改正の一部としてやる、となったら対象はすべてのガイコクだ。

で、いろいろ細かいルールがあるみたいだが、「たとえば」、アメリカで発売されたAが、日本でAAとしてライセンスで生産されている場合、日本はAを輸入できない=アメリカはAを輸出できない。

この場合アメリカのA担当は、輸入させろと言うかというと言わない。なぜなら日本法人があるから。そして二重課税防止の条約を日米で結んでいて、その中には、「アメリカの企業が過半数の株式を保有する日本現地法人」のライセンス収入や配当金は日本での課税義務が全額免除されるという条項がある。

だったら丸儲けじゃない? しかも手堅く。

と、これが見えたら、もうなんか、こう日本の議員の考えが足らないなんて話じゃないじゃんか、としか思えなくなった。でもって、中国向けに、しいたけとかネギにセーフガードを発令したんだったら、ここでこそやればいいのに、それをしない/できない?のが癌なのか。