海より大きいものはある

中国石油化工、カザフの石油会社買収を検討
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050628AT2M2801J28062005.html

【北京=宮沢徹】中国国有石油2位の中国石油化工(シノペック)がカザフスタンに権益を持つカナダの石油会社、ペトロカザフスタンの買収を検討していることが明らかになった。中国紙・東方早報などによると買収額は最大25億ドル(約2700億円)。原油などの資源が豊富なカザフスタンに拠点を築きエネルギーを安定確保する狙いだ。


インドとチャイナ、それから欧米も名乗りあげてます、ってことらしいですので、シノペックだけの問題とはいえない。


Canada-based PetroKazakhstan considers offering itself for sale - report
06.27.2005, 01:36 AM
http://www.forbes.com/home/feeds/afx/2005/06/27/afx2111602.html



そうだ、日経新聞、これを書くんだったら、カナダではチャイナがらみで(と事実上言われている、だが)投資法を改正することになったんだよ、アメリカが投資案件の審査云々を言い出す前に、を伝えないと、このインパクトおよび波及の方向性がわからないように思う。つまり、英語圏読者は、すでにそういう動きがあり得るのだ、を知って読んでいるんだってこと。日経伝えてなかったと思うんだけど、どうでしょう? 私が間違ってたら訂正したいですのでお知らせください、みなさま。
ちなみにこのニュース特に腰砕けになったとかいうのは聞いてません。

リベラル(政権与党)が、カナダ投資法を安全保障上の理由で外国投資を見直せるように修正する、

流れはここ。
http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20050623#1119506178



ねぇ、なんなの、反グロって、と昨日に引き続いていってみる。

 慰安婦賠償訴訟、米連邦高裁が請求棄却


韓国人女性らの慰安婦賠償訴訟、米連邦高裁が請求棄却
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050629i302.htm

【ワシントン=菱沼隆雄】韓国人女性ら計15人が旧日本軍の「従軍慰安婦」だったとして日本政府を相手取り起こしていた損害賠償請求訴訟の差し戻し審で、ワシントンの米連邦高裁は28日、訴えは司法判断のできない政治的な問題とする一審の連邦地裁の判決を支持し、原告側の請求をあらためて棄却した。


US court rejects WWII sex slave lawsuit
June 29, 2005 - 7:39AM
http://www.theage.com.au/news/World/US-court-rejects-WWII-sex-slave-lawsuit/2005/06/29/1119724661206.html?oneclick=true

In its opinion Tuesday, the appellate court said it is extremely "clear the Allied Powers intended that all war-related claims against Japan be resolved through government-to-government negotiations rather than through private tort suits."


二国間の交渉でやるもんで、個別の不法行為訴訟でやるもんじゃない、と述べているそうな。


こう、見てて思うんだが、「戦争」って国単位でやってました、ってのがどうしても腑に落ちてない人々が世界中で訴訟を起こしまくってるか、さもなければ、プライベートの裁判を作ってしまうという傾向にあるようだ。で、なぜ国単位でできないかといえば、当時「韓国」はなく、当時のチャイナは今のチャイナと敵でした、だから、というのも遠因だと思う。


で、このへんのことを曖昧にして、たとえばニューヨークタイムスなんかはむしろけしかけて来たに等しい行為を再三再四に渡ってやっているわけだが、これってやっぱり長い目で見たら(中期的にでもだが)、個々の人々が当然に形成し得るはずの歴史観形成を重大に、有意に、もうどうしようもなく阻害していると思う。


さらに、悪いことには、その認識内で育つ人ばかりが地球上の人でなく、アメリカなどさらにそうだ。いろいろわかってる人は年をとればとるほど実際には少なくない。正当な関係線としては、日本は敵だった、ではあるし、今だってコンチクショーとか思う人が双方にいるのは嘘ではない。が、事実関係まで、個人が雑作もなく知り得、かつ訂正し得る事実関係まで怒りにまかせてとろけてしまってるわけではない。


ま、そういうわけで、なんにせよ、よかったよかった。ってか、差し戻した理由を調べておかないとだな、ではあるな。またこいつらか、かもしれないし。

 異なった人々

天皇が以前日本の植民地だったところに、日本人戦没者を慰霊する目的で赴いたのは終戦後初めてのことだ。太平洋戦争を起こした天皇の息子が、「天皇万歳」を叫びながら自殺した日本人を慰霊するとして海外に出かける様子に、戦争の加害国である自分を忘れていく日本が垣間見える。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/06/29/20050629000000.html


朝鮮日報なんだけど、この「日本」の中に、過去に生きた朝鮮半島出身の人々ももちろんいろんな思い、経過ではあったにせよ結果的にいえば含まれていて、ついでにいえば、日本に不法入国する人までいたらしいんだよ、といった認識は記者にはないらしい。なんでそこまで過去に生きた自分の祖先をおとしめるようなことができるんだろうかと私には不思議でならない。その辛さみたいなのを今生きる自分の恨みのエサにするんじゃなくて、どうして共有してあげられないんだ、と。


が、それは私という完全な他国人の考えであるから、彼らにはまったく関係はない。昔あった周縁はきれいさっぱりないのだから。


ここ数日のニュースからわかったことは、とにかく、大雑把にいえば彼らには「慰霊」という意味は理解されないらしいということ。カナダ人にもアメリカ人にもポーランド人にもインドネシア人にも、同じ言葉はなくともあるように見えるそれがすぐ海を隔てたそこにないことは、残念なことだが、それはそれで仕方がない。これは当面乗り越えることの難しい文化差かもしれない。いずれ遠い先にいってか、あるいはただ個別の誰かとの間で、どこかで分かりあえることがあるのだとしても。