日本のメディアに自浄能力および合理的判断能力を望むのは無理なのか


上のURLの中で、外国にまでいって、中川氏の今回の事件をど思うかを尋ねまわっている日本の記者がいるというのがわかったので、読んだ。わかっていたことではあるが、もうね、いい加減にしようよ、この国のメディアだかマスゴミだかの人々。国の恥とはまさしくあなたたちですよ。そして、こんなもの向けられた外国人にしてみたら、ただのいい迷惑だと思う。

今回は、イギリスの首相、ゴードン・ブラウン氏の記者会見で、イギリスとしての問題に忙しく働く首相から中川氏について何かコメントを求めている模様。

会話中で、Your Finance Minister と言われているので、日本の記者とわかるプレス名表示か何かがあったのでしょう。


で、一回やっても、ブラウン氏は普通にキレイに回答したもので、それではと再度アタックして、ついにはブラウン氏に、俺からコメント取ろうったってできないよ、彼の問題だから、と、言外に、あきらめなよと言われる始末。どうしたらいいでしょう、この人たち(記者は一人だが、この分ではまだどこかでやってるかもしれないわけだよな、と思うし、その後ろにはその雇用先たる会社があるから複数形)。

普通におかしいだろう。自分の国の問題を、多国にジャッジしてもらいに行くという姿勢がそもそも、多くの他国人にはまったく理解できない。かばうならともかく、わざわざ露悪していこうというその姿勢が、きもーーーーだすよ。


でも、多分もう慣れているんだとも思うんだな、ブラウン氏とか。で、もうとっくに、あれってどこのどういう仕込みなのかと、ミスター・ボンドとかMI6とか動かしているのかなぁとか想像しちゃう。こういう馬鹿な質問は、何に使うためにやってるのか、背景組織についてブリーフィングしてくれ、とか言ってるに違いない(それによってはそれ様に応じるからさ、とかw)。


もう日本のマスコミって、ジャーナリズムじゃないですよね、主張の団体ですからねとはこっちにいる日本人の間でもしばしば語られるところ。どこでもツリとかあるけど、限度を完全にクリアしてると思うもの。


なんにしても、ブラウンさん、ご苦労様でした。ブラウンさんの、中川氏と麻生氏に関するディスクリプション(記述)は、こんな中でもフェアなものと私は喜びます。ありがとう。いろいろ影で何やってるのかしりませんが(笑)、あなたの対応が正常でいてくれたことに安堵する、まさに情けない日本の私です。


(で、せっかく取材したけど、フェアな記述が来たのでこの取材は日本では記事にならないんだろうね。とほほ。)


2月19日のイギリス首相の記者会見サイト
http://www.number10.gov.uk/Page18332


Question:

The Japanese Finance Minister, Mr Shoichi Nakagawa, has resigned yesterday because he was apparently drunk at the G7 meeting. What do you make of his miserable behaviour and what do you make of the miserable Japanese economy now?

Prime Minister:

Well I am looking forward to meeting the Japanese Prime Minister and whoever is the Finance Minister when it comes to the G20 meeting. We will be meeting all the time, I don’t think there will be time off for many of the events that you are talking about that happened in Rome.

Your Finance Minister has actually been very ambitious in some of the things he has recommended, as has your Prime Minister to the world community and I do look forward to working with Japan, particularly its proposals to strengthen the international financial system.


<試訳>

質問:
日本の財務大臣中川昭一氏が、G7会議で明らかに酔っていたことから、昨日辞任しました。彼の惨めな行動についてどう考えますか、また、日本の現在の惨めな経済をどう考えますか?

首相:
私は誰であれ日本の財務大臣G20会議でお会いするのを楽しみにしていますよ。私たちはずっと会ってることになるでしょう、(でも)私は、あなたが話している、ローマで起こったいろんなことについての時間があるとは思いませんけどね。

あなたのところの財務大臣は、自分が提言したことのいくつかについて、実際問題非常に意欲的でしたよ。あなたのところの首相が世界のためにそうしたのと同じようにね。そして私は日本と協調していくのをまったく楽しみにしています、とりわけ、国際金融システムを強化しようという提案についてです。


<<スコットランドタックスヘイブン等々、当たり前だが、イギリスにとっての話が続く>>


Question:

My question is again regarding to the Japanese Finance Minister  I am sorry. In terms of responsibility do you think it is natural for him to step down and if Mr Alistair Darling did the same thing, what is your action for that?

Prime Minister:

This was obviously one of the more interesting of Finance Ministers meetings. I certainly never experienced such publicity of a meeting when I was Chancellor of the Exchequer. But you wouldn’t expect me to comment on the Japanese Finance Minister’s personal decision to offer his resignation, that is a matter for him.

<試訳>

質問:
私の質問は、再び日本の財務大臣についてです、すみません。
責任についてなんですが、彼が辞めたことについてこれは彼にとって当然だったと思いますか。また、もし、アリステア・ダーリン氏が同じようなことをしたら、あなたはどんな処置を取りますか?

首相:
明らかにこの会議は、数々の財務大臣会合のうちでも興味深い以上のものがあるものの一つでした。私は、もちろん、自分が財務大臣だった時代の会議でこうした報道を体験したことはありません。しかし、日本の財務大臣が辞任するという個人的な決断について、私からコメントを期待してもできませんよ、これは彼の問題です。

以上。


ブラウン氏、普通に模範解答だよなぁとあらためて思う。

でもって、私としては、ブラウン氏が中川財務および麻生首相が、世界各国のために働いている(または、いた?)ことをしっかり認識し、とりわけ金融システムの強化について協調することの重要性を言っていることこそ、日本側の新聞なりが受け止めていく必要のあることのように思うんだが??? (だって当然にそうでしょ?)
でも、こういうのはパスしちゃうんでしょ??? いいの、ほんとに。


陰謀論的に考えれば、中川氏の行動を嫌っていた人たちがどこかにいる、それは国内かもしれないし国外かもしれないし、というのは置いておいて)


さらに、思うに、この記者は、一国の首相たるもの、他国の政治的個人の事情について、なんであれjudgmental(断定的)、とりわけ否定的なことを言うと考えているんだろうか?

ブラウンさん、お手数でした。また、その場の他の記者のみなさん、できれば忘れてください。