バイ・アメリカ

ずっと水面下では「バイ・アメリカ」、アメリカ製品を買えという基調はあったのだが、オバマ大統領のいわゆる景気刺激策で「正式採用」される可能性が高まった。
カナダでは懸念がひろまっている。カナダだけじゃなくて、EU、オーストラリアなども同様の様子で、EUの鉄鋼業界はそんなことをしたらWTOに提訴すると言っている。ちなみにEUの刺激策にはそんな条項はない、と。

Harper voices concern over 'buy American' clause


「バイ・アメリカ」条項なるものが刺激策に盛り込まれる予定だそうで、それによれば、この政策が資金を出すインフラプロジェクトでは、外国製の鉄鋼がほぼ締め出されるのだそうだ。


これこれ。

米下院が「バイ・アメリカ」鉄鋼条項を承認、景気対策法案の一環
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200901290042.html


で、

 米下院歳出委員会は今月、同条項を賛成55票、反対ゼロ票で可決した。


これは報復来るよなぁ。
カナダ、日本、ヨーロッパあたりが大口の関係者か。
で、WTOを取りざたした場合、政府調達協定に入っている国だったら言い分はあるよな、やっぱりとか思う。WTO違反なんて気にするな、自由貿易なんて忘れろ、という合図なのか、これは。わかっていたこととはいえ、やっぱり、いいの、ねぇこれ???とは思う。


あと、現実にはアメリカの大きな輸出企業は多国籍企業で、報復されたとしても、影響というほどではないだろう。


が、最悪なのは、対米だけでなく、このアイデアを良しとして、そこら中で採用しちゃうことか。

インド:鉄鋼製品の輸入税引き上げ検討、国内産業保護で−PTI


あと、鉄鋼だけじゃずるいとアメリカの議員が言い出し、他のものも含められるとかありそう。


でも・・・。アメリカの道路、橋等々を立て替えるにあたって、完全にアメリカ製品だけでできなかったらどうするの? 素材とかでありそうじゃない???


カナダ側では、鉄鋼だけじゃなくて、アメリカとの間で問題になっていた問題(例えばランバー)が、また蒸し返されるんじゃないのかと疑っている様子。ま、アメリカってそういう国だからとあきらめている人とかもいるにはいるようだけどもさ・・・。

さっきテレビで見たところでは、俺らは石油があるんだから、それをアメリカに言ってやれ、と放言大将のおじさんが言っていた(石油というか、天然ガスも供給してる)。この感情的な反発が怖い。


ふと、悪魔だが、債券は買いますので、プロジェクトにも口出しさせろ、とかいう神が出てきたら面白いだろうなと思った。


ワシントンポストは、反対していた。経済団体および輸出の大きい多国籍企業とかも反対に回っている由。筋から言っても賛成はできまい。
Trade Test



なんてかこの、どの口で、自由主義とか自由貿易とか、あ、金融工学とか言ってたんだっけかなと思わずにはいられない。半年って早いものだ。


もっと早くから規制してたらなぁ・・・でしょうかね、やっぱり。

CDS取引を実質不可能にする規制の草案が明るみに−米下院農業委
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aaPILzMrkz5w