経済って政治だよね

今さらだが、もう何で動いているのかかわらないというか、いちいちのきっかけはわかるが、いちいちの小さいきっかけに対する反応が滅茶苦茶なマーケットざます、って感じみたいだね。

今日はFEDFF金利を削るよ〜ん、もう総特集しちゃうとカナダのBNN(ビジネスチャンネル)がお昼時に言っていたのでとりあえずちょっと見たが、入りの大げさな感じをよそに、なんかこうつまないぐらいに当然に、はい、1%カットです、で終わっていた。これって、すごいことだと思うんだが、もう全然大事件に見えなくなっていた。

とはいえ、このイベントを折込みながら、昨日から円もそうだけど、各国通貨が上に動いて、つまりドルが全体に落ちていっていたので、やっぱり「効果」はあったと言っていえないことはないだろうが、それでも方向感が出るところまでいかないわけだし、やっぱりなんか、で一体何で動いているんだろうというのが非常に不透明な相場には違いないよな、など思う。

ま、大統領選挙後に世界の金融システムについてミーティングするといっていることもあり、抜本的な対策をしたい、するつもり、させるつもり、を巡ってそれなりに水面下の動きもあるんだろうとも思うから、土台今方向感を出せといっても無理は無理なんだろう。そうこうするうちに、ひたすら資金を市場に出して、スワップとかを通して各国で不意の事態が発生しないように輸血を怠らずにいる結果として、北米市場は裏方の金融市場がそれはそれなりにパニックはおさまって、で、で、で・・・・さて問題は実態経済、となって、ぐた〜・・・・っとなっているという感じか。
自動車産業ネタが静かなのが怖いし、シティってどうよ、ってのも話が半端じゃないですかね。


夏前には、金融市場の混乱の処理にかかったお会計を、インフレで、でもってドル安で輸出で勝って、2年ぐらいしたら結構持ちこたえたなぁみたいになるのか、アメ、とか思っていたのだが、インフレどころか縮んでいきそうなのでどうしたらいいでしょうか、になっているし、ドルも、今日は多少戻したといっても水準は高い。こうなったら正常化までに次は何ができるものなんだろう? さしものアメ人もお金を使わなくなる傾向が顕著で、さらには、車産業なんかをはじめとして、考えたくもない実体経済のヤバさがそこにあるというこの状況で・・・。


インフレの目を摘むというのは、なんとなく人としては正しいような気はするわけだが、でも、場合によってはそれだって程度問題なわけで、ひょっとして今般に関しては、あの夏のいきなりの資源崩しは、規模とタイミングとして本当にあれでよかったのか、みたいな議論が行われる日が来るのかなとか思ってみたりもする。唐突だったよなぁ、あれ。ゲームは変わったんだ、ここからゲームが違うんだ、とクドロー(CNBCの名物キャスター)が叫んでいたのが非常に印象的だった。


とりあえず、そうはいっても、巷で人気?の「ドル崩壊」っつーことはまずありそうになく、ただ単純に、どのぐらいでドルが安定していくものなのかが、円はまだましで、その他通過とのバランスが全然見えないのが怖い。

怖いのはヨーロッパだよね、やはし。東欧に地雷がまかれているようなものじゃまいか。


〔アングル〕新興国の危機拡大でユーロ一段安の恐れ、09年初頭にも対ドルで等価の可能性
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnTK826987420081029


これはちょっと言いすぎのような気もするし、この日付が昨日で、実際にはそこから値を戻していったという意味では、ポジショントークだったんだろうなともまぁ言えると思うけど、そうはいっも、本質的に東欧は怖いっす。

思い出そう。
既に夏にはこんなだったんだすよ。
The party is nearly over
Aug 14th 2008
http://www.economist.com/world/europe/displaystory.cfm?story_id=11921270

http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20080825


そしてそのコケ具合では、西欧大ピンチ、で、この件に関してはアメも日本も軽傷。
とはいえ世界経済のバランスからしたら、これはやっぱり、勝手にしててとは言えないざましょう。欧州市場とまったく関わってないってわけじゃないしね。


日本って、サブプライムも軽傷だし、東欧拡大チームでもないし、この15年間静かなものだった・・・と言えそうな気もするけど、エクスポージャーはアジア主体なので今のところ軽傷というのが正解なんだろうね。だからチャイナとその北東部の2国が妙に壊滅的な転び方をするといった事態が無い限り外回りの現状は他先進国との比較で損壊軽微という感じなんでしょう。


そういう理由から、よそ様が融通してさしあげるというお話、よかったですね、と素直に思う。

ブラジル・メキシコ・韓国・シンガポール通貨スワップ協定締結=米FRB
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnJT829898120081029


アフガン出兵でしょうか?など思った私は人が悪いかしら。


その一方で、かねてから、ブレトンウッズなる言葉まで出して元気に仕切りにはいっているイギリス、ブラウンさんが、金融混乱を封じ込める資金をチャイナ、産油国にも出せよ、と言ってまわっているご様子。



ブラウン英首相:中国や産油国に資金提供を要請−金融混乱封じ込めで

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=ai.f_JzGmi.M&refer=jp_top_world_news

  ここ数年間に貿易黒字を活用して数兆ドルに達する外貨準備を積み上げてきた新興市場国に対して、ブラウン首相が資金提供を要請するのは初めて。世界の富が主要7カ国(G7)からシフトしていることや、第2次世界大戦後に確立した世界金融システムを見直したいという同首相の意向を反映している。

先々週はサルコジ氏がブッシュ様に合って、米大統領選挙が終わったらミーティングしようぜで話をまとめてきた。一方でブラウン氏は仲間拡大にいそしむ。これは、欧州勢としての一致した動きなのか、それとも、サルコジVSブラウンで主導権争いをしているのか。どっちなんでしょう? チャールズが日本に行ったという話しをカナダのテレビで見たのだがこれは何で?とかもちらと思う。いや、関係ないにしても。


いずれにしても、この新しいシステムのお話し合いがすまない限り、火急の要件でIMFに世話になるとかいう国を別とすればその他世界は、対処療法以上のことはできないって感じの今日この頃なんじゃなかろうか。経済は政治だよね。