激動の時代なんでしょうかね

金曜日にテレビをつけっぱなしにしていたら、サルコジ氏が出ていて、カナダとEUの関係は大事で良好で云々と言い、それを受けてカナダの首相のハーパーさんも同じようなことを言っていた。何か大事なことがあったのか?と思いながらも放置していたらそれからしばらくして、カナダ-EUのラウンドテーブル会議(という組織がある)の代表者ということで、カナダ側の元閣僚のおじいさんと、ビル・エモットが出ていた。

どうしてカナダなんですか、いや、カナダはG7のメンバーだし、大きな経済主体ですから云々かんぬんと、話があっているのだかあっていないのだかわからない対話が聞こえてきた。


折からの、大恐慌以来の金融恐慌、それを受けての近い将来の不況時代というのが意識されている現在、何か、ただごとならぬものを感じてしまった私。え、オタワ協定とか言わないよね???みたいな。

冷静に見ていけば、サルコジ氏が出てきたのは、カナダのケベック州で開かれていた、フランコフォン会議という、フランス語を話す人々の世界会議(代表的なのはフランス、カナダ、スイス)のためで、そこで持ち回りでEUの代表者となっているサルコーがカナダとの関係を強調しても不思議ではなかった。


いやしかし、サルコーといえば、イギリスのブラウン首相と並んで、「ブレトンウッズ2」とかいう語を発してまわってる最中なわけで、やっぱりこう、ここで何か言うんじゃないのかと耳を立ててみるのも無理からぬことだったかなとか思う。

ただ、冷静に考えれば、たとえどんなことがあってもハーパーがイギリスの言うことに従うことはあっても、フランスってことはないよな、でもあるわけだし、オタワ協定ってことはないよな、やはし、ではあった。
(逆に言うなら、イギリス系にしてみれば、カナダをフランス系から奪取するというのは近年になく重要になっているような気もする。北極海問題もあるし。)


とはいえ、カナダ-EUのラウンドテーブル会議代表者が、両者の関係は大事です、貿易の自由って大事です、というのを言及しているように、ここでの動きというのは、オタワ協定時代、つまり大不況後のブロック経済時代には戻さない、昔のようにはしないという各種当局者の主張というか、決意というかじゃないのか、など思ってみたりもする。つーことは、まぁ、アメリカの保護主義傾向の予防措置???とか妄想した。あけておくようにしないと、みたいな。ま、当時とは全然違うわけだが。


で、土曜になったら、サルコジ氏はアメリカに飛んで、ブッシュ様と会談して、キャンプデービットからのスピーチがライブで流れてきた。またまた何を言い出すんだろうか、だったが、

Bush, Sarkozy to Seek Series of Summits on Financial Crisis
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=auipZhnYOZe0&refer=home


金融危機に関して、世界のリーダーを集めて何回か話し合いの機会を持つことにするよ、ということで合意したみたいな話らしい。で、第一回を11月4日の大統領選挙の後にする、
G8以外のチャイナ、インドなんかの意見も聞かないとね、などとも言っている模様。

``We want to work hand in hand with the Americans to create the capitalism of the 21st century,'' Sarkozy said. ``The meeting should be held rapidly, perhaps before the end of November. Since the crisis started in New York, maybe we can find the solution in New York.''

サルコジ氏は、21世紀の資本主義を作るために私たちはアメリカと協力していきたいと思ってます、
会議はすぐに、できれば11月末前までに行われるのがいいでしょう、なんつっても危機はニューヨークで始まったんですから、ニューヨークで解決法を見つけられるんじゃないですかね、と、なんだか、妙なことも言っているが、ワシントンではなく、ニューヨークにこだわっているようにも見える。これもまた、ケインズとか思い出す。


で、バン・キムン国連事務総長がサミット開くならホストするよ、とオファーしている。

UN's Ban Offers to Host Summit on Global Financial Crisis
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aiH3z_aP7pxY&refer=home


日曜になったら、
サルコジとハーパーが、サミットをホストすることで合意したというニュースになっていた。
Sarkozy, Harper Agree to Summit on Financial Crisis
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601082&sid=aOGhpfciFls0&refer=canada


どこで読んだのか探せないのだが、金曜の段階、すなわちサルコジとブッシュが会談していない段階では、ハーパーおよびカナダチームは、そこまでは踏み込みませんみたいな曖昧な感じがどこかにあった模様だった。どっちに行くかわからないのもあっただろうし、あと、イギリスの反応も確認しなくちゃ?だからなのか、みたいな感じだったのか。



ここらへんの、ヨーロッパから米大陸東部海岸地区の動きをまとめてしまうとこうなる。


緊急金融サミット、米で11月開催 中印など新興国も参加
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081019AT2M1900519102008.html

米国発の金融危機は主要国や新興国実体経済にも影響を与え始めている。米欧首脳には早期の首脳会合開催で、金融危機収束へ向けた決意を示し、政策協調の実を挙げる狙いがある。


何が出てきても不思議はない会議になるんじゃないんですかね、という気がちょっとしてる。楽しみ。


まとめ記事

米欧首脳が金融危機対処で首脳会合を提案、11月米国で初会合
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34391020081019

サルコジ大統領は、第2次世界大戦直後のブレトンウッズ会議で構築された現在の国際金融体制の総点検を求めており、18日、会合は11月末までにニューヨークで開催される可能性がある、と述べた。

 ブッシュ大統領は、サルコジ大統領による体制見直しの提案に公式にコメントしていない。ホワイトハウスは当面の目標は足元の問題への対処だ、としている。