EU拡大ばかりがヨーロッパの悩みでもない

またまたアフガニスタンでのNATO側の兵士の死亡が相次いでいる。直近はポーランド兵だったと思う。


2011年ぐらいまでになんとか落ち着かせて権限をアフガンに渡して終わりにしたいんですというNATOのスケジュールが立たないどころか、もうなんつか、このあたりはパキスタン関連の混乱もあるから、いってみれば、左手で荷台の荷物を押さえながら砂利道を自転車に乗ってるみたいな感じか。このまま行けば間違いなくそのうち転ぶ、と。


というわけで、カンダハール近辺のお当番にされているカナダ軍の苦境は続き、これ関係のカナダ側の代表人みたいな立場にあるマンレー氏というリベラル政権時代の外務大臣、副首相で現在は議員を辞めている(まだ58歳)人が、またまた登場。これが駄目だったらNATOのアフガンミッション全体の失敗になると警告している。


この春とまったく同じ展開。


Manley warns NATO could fail in Afghanistan


それと同期して、ドイツのゼネラルが6000人程度を投入すべきだと言出だし、
春と違うのは、どうやらドイツが兵を出すらしい。
秋以降に現在の3500から4500に増派の予定(議会がいいっていえば)。
但し、比較的安定している北部に出すんだろう、と。

ということは、またそこらへんにいるヤンキー君をバトル地域に回していく話か。なんか、アメ人って気の毒だなぁとこの間ずっと思ってる。たまたまそこが危険になったのなら仕方がないけど、EU人と北米人じゃ向かわせていい危険度が違うといわんばかりのこの措置って何よ、みたいな。

Germans to boost Afghan mission



で、先週NATOの30年ぶりに完全復帰したフランスがいる。 
このへんで理念的なおさらいをしないとワヤになりすぎなんじゃないのか、というところで、理念好き?のおフランスの持ち回り理事国当番が来月から半年。注目と書きたいところだが、フランスの改革案は財政面で全然画期的じゃないからそれで何ができるっていうんだよ、という非難もあるようだ。


また、フランスのNATO完全復帰に伴いフランスで実行されたサーベイのようだが、調査によれば、防衛政策の重点をどこに置くかで、


国土の防衛  47%
世界の一定の地域の安定化  38%
海外に住むフランス市民の利益を保護する  15%

と答えているそうだ。

French Urge Focus on Domestic Defence


ま、フランスの核戦略は自分んち用に保持というスタンスだから話は合ってはいるんだけど、EU統合促進といいNATOの欧州担当部分強化にしても、なんか限界ありそうだよなぁとか思えない。