ダライラマ@イギリス


一方で、ダライラマは、イギリスを訪問していて、

Dalai Lama urges west to remember Tibet

On the first full day of his 11-day visit to the UK, the Dalai Lama said he fully understood that Britain, like other nations, was seeking to maintain good economic relations with the growing Chinese superpower. However, at a press conference in Westminster, he said: “The economy is important but human rights are more important. While you are making close relationships in the business field, there is no point in ­forgetting about principles. I think that is very important.”

イギリス他の諸国が成長するチャイナと経済的なつながりを良好にしたいのはよくわかる。しかし経済は重要だが、ヒューマンライツももっと重要なんだよ、ビジネス関係を近しいものにするからって、そういう原則を忘れていいってことはないからね、とダライラマは言っている、と。

非常に穏当で、事前にも言われていた通りだと思うけど、6月の会談とオリンピックが終わってからだよ、という線を繰り返している。

で、イギリスはダライラマとブラウン首相が会うんだが、その場所はダウニング街首相官邸ではなくてカンタベリー大司教のところ、ということで、これは宗教界のリーダーとの会談であり、政治的なものではありません、というのがイギリスの意思らしい。


このおとなしい話はしかしちょっと気分が違うっすね、という報道もあって、カナダプレスによれば、

チャイナのリーダーたちは全世界の良きメンバーになりたいし、チャイナの野望はスーパーパワーになることだ。そして、チャイナは欲しくて仕方がないスーパーパワーのステータスを達成するための多くの条件を満たしている。大きな人口がそこにあって、軍隊もある、経済力もある。4つめは道徳的権威だ。スーパーパワーになるためにはこの4番目が大事だ、とダライラマが言っている、という言を引きながら、最初の要約部では、

China lacks the moral authority needed to be considered a superpower, the Dalai Lama said Thursday in remarks to British legislators in which he also noted that the Summer Olympics provide an opportunity to press Beijing over human rights.

チャイナはスーパーパワーとみなされるのに必要な道徳的権威を欠いているとダライラマが言った、となって、なんかちょっと挑発的な会談がイギリスであったような感じになってる。カナダにあるチベット系の団体はあまり穏当な筋ではないかもしれない、という感触もずっとあるので、全体的にカナダ発はそうなのかもしれない。
Dalai Lama says Beijing Olympics offer chance to press China on human rights


チベット問題って、チャイナとチベットの問題でもあるけど、実際西洋諸国、なかんづくイギリス動向の問題でもあるよね、ってなところもあるので(もろもろのアジア周りの問題と同様)、この足並みが揃ってないっぽいのが今後どうなるのかも問題かも。


世界的な大問題としてのチベットももちろん大事だが、しかし私としては、今そこの人たちは大丈夫なのかという問題に今すぐ答えられていないっぽく見えることにショックを受ける。

ただ、ダムが大変なことになっているようにも見えるわけで、その意味で、想定される、あるいは想定を排除するのが容易でない、もしくは、作為、不作為を問わず発生する、中共政府の究極の悪意のあるなしに係わらず、問題の深刻度は非常に高いと思う。

神様、雨ならオンタリオ湖が引き受けてよ!


[http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080512-2403370/news/20080522-OYT1T00424.htm:title=集落のみ込む土砂崩れダム…台湾の観測衛星とらえる
]

12日に中国の四川省を襲った大地震で、同省北川チャン族自治県の川がせき止められてできた湖が次第に大きくなり、川沿いの集落がのみ込まれてしまう様子を台湾の観測衛星がとらえた。