ハッピーイースター!

と、この日を境に冬が終わり春なわけですよ、オフィシャルに。
ところが、なぜだかカナダ東部はここ数週間平年値を下回り、今日の天気予報のおねえさんが言うには、あと2週間ぐらい春は待ってね、だそうだった。待てない、ってねぇ、神様、聞いてんのぉと叫びたいほど、世間は春ですよ春と言っているのに地べたが冷たい。気温レンジが0度を抜けなくて、今私のいる世界は夜間気温マイナス8度。昨夜はマイナス10度まであったそうだがとりあえず寝てる分にはわからないので日中気温だけでもなんとか頑張ってシングルまで確保してほしい。がんばれ東部カナダ。誰が差配してんのかわかりませんが。


しかしこの公式とのずれは、今年に限っていえば公式の方が悪いとも言えるよう。なぜなら今年は滅法イースターが早いから。

イースターは、春分の日の後の満月の次の日曜日、とかいう決め事で毎年日付が異なっている。5年前は4月20日だったのでこの時には、なんかもう春になっちゃったよ感がいっぱいだったが、今年はそこから見れば1ヶ月も早いので、まだ雪と氷の世界だったというわけ。トロントもしくは東部カナダ全般で言うなら、4月1週ぐらいが丁度いい感じではなかろうかと思う。そのあたりだと、ああ本当にここから春よねと人々は安心して伝統行事と調和できてうれしい。


しかし、なんつーか、これってものすごく架空の世界を勝手に取り込んで無理やり春の初め=冬の終わり、生まれ出ずる日、みたいない解釈にあわせすぎるからまま不都合が起きるということなんだろうなぁとは思う。

と、私の本心は冷静なのだが、世間の本式のクリスチャンの人は、どうあってもイースターから春と考える、または、そう身体ができあがっているので、一応付き合いで、先週から今週にかけては、どんなに寒くても一応、もう春よ、とにっこりするのが大人というもの。


いやしかし、なんといってもマルチカルチャーのお国柄なので、いや、俺まだだしという人も大勢いるのがちょっと面白い。東方教会は別の暦で暮らしてる(暮らしてないけど)ので、今年は4月27日だそうだ。去年は珍しく同じ日で、おお和解だ(笑)、となっていたのに今年はまたなんて開きざましょう。これだったらモスクワあたりでも春といえるのではなかろうか。トロントより南の人はもうすっかり夏準備の時分だと思うが。


で、それら別のカレンダーの人も多い、さらにはキリスト教まったく関係ないですという人も多い(年々多くなってきているというべきか)にもかかわらず、カナダは標準的には西方教会に習ってこのカレンダーで金曜日はグッド・フライデーでお休み、そして月曜も部分的にはイースター・マンデーでお休み。つまり人によっては4連休。さらに人によっては、子供も春休みなのでもっと長く休みを取る。


そういえば、クリスマスも、アメリカでは無視してるみたいだが、26日もボクシングデーでお休みと、結果的に非常に手堅い?クリスチャン暦を保持している。で、毎年若干の苦情のようなぼやきのようなものがちょっとぐらいは聞こえるのだが、でも結局まぁお休みがあるのはいいことじゃないのといこうことなのか、なんなのか、西方教会中心歴のホリデー体系が続いているし、多分ずっと続くんじゃないかと見える。わかんないけど。

で、これはカナダだけじゃなくて、オーストラリア、ニュージーランドといった国々も同じで、要するに旧大英帝国、今の名をコモンウェルス連合がこれを保持している。となると、それはつまりこれらの国々の元首はエリザベス女王であって、女王様はイングランド国教会の長でもあるわけで、だから?なんても言えると思う。つか、そーなんだろうーとは言うものの、そーです、と言い切る人はいるようないないような、が現状か・・・。


で、そのアングリカン系列の教会として、おそらくトロントで最も有名ではないかと思われるのはここ。
Church of the Redeemer Toronto。
http://www.theredeemer.ca/


有名といっても活動のことではなくて、まずは場所と見栄えで有名。おそらく見たことのないトロント人はいない。それどころかトロントを訪れた人で見たことのない人もほぼいないかもしれない。

というのは、場所が場所だから。アベニューロードとブロアストリートというメジャーな交差点の一角北東部に位置し、そこはといえば、古典的つーか立派というか大英帝国風というかというの州議会議事堂のすぐ真北にある。はす向かいがオンタリオ博物館、教会から見て右手はパークハイアットホテル、向かい(南東)は商店ではあるけど石造りのごっつい(立派な)建物でその並びは陶器博物館。オンタリオ博物館の裏手は殆ど隣り合ってトロント大学の各種石組みレンガ組み建物群。そして、教会裏手は、ゴージャス一番のフォーシーズンズホテル・・・・というより、教会の背中いっぱいに聳え立っている。


と、こういう場所にあるので、見ないわけにはいかないわけで、さらには、一回見たら、あらら、とつい振り返ってしまうほど周辺の高層ビルが異様に石組みの教会に迫ってる。ど、どうしたのぉおおおお、と振り返ろうにもしかし、周囲のビルが高すぎてその妙な全容を写真に取るためには、相当離れないと撮れない。

そういうわけで、このような半端な写真しかないのだが、やっぱりwikiでもそれが言及されてしまうほどだったのかと今日改めて感心した。

http://en.wikipedia.org/wiki/Church_of_the_Redeemer%2C_Toronto


ここから考えて、上の教会独自のサイトを見ると、是が非でも背景ビルを入れずに写真を撮りたいという涙ぐましいまでの努力がわかる。
まったく別のところのようだww。


歴史的な順番から言えば教会が一番先で、19世紀中後半にはここに広々と建っていたらしいのだが、その後20世紀になってダウンタウンから信者さんが少なくなってきて、教区の資金事情が悪くなりすぎて、辺りを売った。売ったらホテルが出来てそのホテルは時代も時代だったんだから仕方ないんだろうが高層だったためにこのような気の毒な姿で人々の記憶に残る教会となって現在に至っている。
(しかし、この写真だと薄汚れているみたいに見えるけど、実際には改修もしているしきれいな教会です。中もきれいだし、中は古い石組みの教会がしばしばそうであるように、広々してます。)


しかしこの教会は、見た目だけで有名なのではなくて、ゲイの権利に対する強硬な支持でも知られている。
アングリカン系はどこもこの件では強烈で、レインボーフラッグが建ってる教会とかもあったりするのだが、ここもその中心的存在らしい。


いやだからどうということはないですが、とりあえずトロントの誰でも知ってる名所案内でした。


ちなみにロイヤルオンタリオ博物館では、ダーウィン展やってます。一体なぜ今ダーウィンなのか全くわかりませんが面白そうなので行ってこようと思ってる。4月4日まで。


しかし、ダーウィン展やってその目の前はゲイ強硬支援派教会って、まるで一部アメリカ人観光客お断りって言ってるみたいじゃないのか?など言ってみたい気もする(笑)。


オンタリオ州の観光は過去二三年、特に去年はカナダドルが急上昇してしまったおかげで、割安感がまったくなくなってしまったアメリカ人観光客が減少、訪問者数にして10〜20%程度の減少と聞いているのだが・・・・。観光産業の人泣いてないか?