よろずのことは人が作る


金曜日の午前中だったか、カナダのビジネスチャンネルを付けっぱなしにしていたら、ドル安の話をしていて、対円では100円を切ったのですよ、100円、これは12年間、ずっと抜けなかったレンジなんですよ、とニューヨークのどっかの銀行の人が真顔で説明していた。つまり大変なことなんですよ、とカナダ人に訴えるの図で、まるでカナダ人がそんなことを知らないと言わんばかりなのも面白かった。キャスターもエコノミストなんだから知ってるって。


その時私が思ったのは、ああ、これって、状況的にないとは頭では理解してもいただろうし、そう言うその人も夕べはドルを売る米系銀行となってどんどん売っていたに違いないだろうが、でも、どこかで、日本が買いに上がってくる、ヨーロッパはきりきり舞いしている、みたいな図を思い描いて、それと同時に自分たちは大丈夫と思うオレ、みたいな感じだったのかもよ、ということ。


で、ドル買いに来たら来たで、エコノミストたちは均衡点を求める俺らの動きを邪魔する愚か者とか言い、ディーラーはディーラーで、カモが来た来たでウシシとリバウンドを取る、とかするんだろう。でもそれでも来るんじゃないのかな、とちょっと思ったりするんじゃないのかなと勝手に小説の中のような綾を考えてみた。