メモ:主体的すぎるということ

ちょっとメモ。


溜池さんがお書きになっている、3月7日のこれ、

〇これは日本ではほとんど知られていない話だと思いますが、今年の1月12日、米国のナショナル・アーカイブスが次のようなプレスリリースを行っています。

http://tameike.net/comments.htm#new


これはしかし、確かに朝日が書いてないから流通量は少ないかもしれないけど、あれ、1月以内のどこかで私は日本語を見たぞそれ、と思って探したらすぐあった。産経が書いている。


旧日本軍「細菌戦研究」 米が機密文書公開
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070118/usa070118004.htm



で、これもそうだし、そもそも2つの意味で時間との戦いだというところから今般の特亜リーグ・ラスト・スタンド、みたいな感じになってんだろうな、とは思ってた。

時間との戦いという意味は、どう考えても通常英語圏その他で流通しているような奴隷めいた話ってちょっと脚色がすぎるというのが見えてくる可能性は時と共にたかまる、という点と、北の不安定さがどうしようもなくなる前に日本をロックする必要があるという方向でこの問題が提起されているとしたら・・・という意味での時間。後者は本筋とは関係ないのだと律儀に思いなす人もいるかもしれないが、でも・・・と思ったのは実に今朝。

地元のG&M、AP伝を見ていて、なんかこれって・・・と思った。

North Korea's abduction of Japanese citizens and Japanese reparations for its wartime aggression were to top the agenda at two-day talks in Vietnam, which came after a one-year lapse.

Talks between N. Korea, Japan cancelled after first session
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20070307.
wjapankorea0307/BNStory/International/home


今朝方だか日本と北朝鮮の当局者のお話合いが流れた、で、日本からは拉致、北朝鮮からは日本の戦時中の侵略行為についての賠償金問題がトップアジェンダだ、と、ちょっと文脈がよくわからない書き方のような気もするが、とりあえずAP通信の、日本語名とおぼしき筆者の方はそう書いていた。


その下では、
日本政府はまだ北朝鮮に、何千という朝鮮の女性を強制的にセックスの奴隷にしたことを含む戦時中の行為について謝罪していない。二国間に外交関係がないからだ

Japan has yet to formally apologize to North Korea for its wartime actions — including forcing thousands of Korean women into sexual slavery — because of the lack of diplomatic ties between the two countries.

ってのもある。


これって、相殺できると思う?と、まず思ったわけだが、それ以外思ったのは、コリアと賠償金といえば今ホットなのは慰安婦問題なわけで、これを別々のコリアと考える人はどのぐらいいるのかなということ。そもそも南北の区別なく話す人が今でも多数なところだし。

で、同じ話なわけよね、となった場合、マイケル・ホンダさんはどう考えるのか知らないが、慰安婦問題の朝鮮的解決にとって、あまり良好な風にはならないのじゃまいか。ここでもたらされる疑義からクロス・ウォッチする人いるだろう。端的に言って、北は隠れていた方が話しは早いのじゃないですか?というところ。爆笑だが。


いや、とりあえず今日の印象にすぎないが、なにかこの、何がなんでも、どんな機会を捉えても日本を追い詰めたいらしい勢力がメディアのカバレッジで優位に立ちたいらしいのはよくわかるが、書きすぎて、読者のピクチャ構成に奇妙な(発信者の意図せざる)影響が起きているのではあるまいかなど思われる。

どこかでは基本条約1965の件も出てた。全体のトーンがどれだけ日本は悪い、なんてやつらだ、でも、英文まわりで、しっかり基本情報が出回ってきているという傾向は否定できないと思う。


そういうわけで、慰安婦問題に関する日本政府の対応としては、事実に基づいていないことが多い、及び、国家権力の強制という点に関してはこれまでのところでは証拠はない、といったことを忘れずに押さえて、ブラフ的に私たちは見ています、忘れてません、仕事してます、というのを表明しつつ、少し見てる、っていうのもありなんだろうなと思う。


普通情報戦は攻めてる方が有利な気がするし、メディアを握ってる方が圧倒的に優位なはずなのに、なぜだか相手方がガリポリになってきている気がするのは気のせいだろうか。

もしそうだとしたら、おそらく複数の筋が自分の利益で動いているために、全体としての出し方にブレがありすぎなんだろう。あるいはまた、余裕がないからつい欲しいものを書いてしまう、という話かもしれない。


また、上で私はこれって相殺できる?との疑義を持ったわけだが、この戦線の統括本部の最大の問題は、自分が納得できるロジックを他人も納得するものだ、と思いなしていることにあるかもしれない。あなたが説得するのはあなたではなく別の誰かです、という視点がないというか・・・・。ひょっとして、これがチュチェというものか?