保護者たちは両方怒っている模様

横ネタなのだが、北朝鮮に対する声明案を安保理で起案する際にボルトンさんがロシアの大使に対してかなり怒っていたららしいというのを先週読んでいたのだが、ロシアの大使だけでもないらしいというのを今日偶然発見したのでメモ。


「冗談でも言うな」「安保理は分裂」 声明案で米大使
http://www.asahi.com/special/nuclear/TKY200610050249.html

これを受けたチュルキン大使が中国の努力を評価したうえで「影響力のある国がもう一つある。米国はなぜ直接協議に応じないのか」と発言した。


 これに怒ったボルトン氏は「すでに6者協議の一環でやっている」と応じ、激しく反論し、言い合いとなった。米朝協議に言及したことをチュルキン氏が「冗談だった」と弁明しても、ボルトン氏は怒りが収まらない様子。議長である日本の大島賢三・国連大使が「安保理の結束が大切なので、今日はこの辺で」と引き取った。


これはこれで、実際なるほどなわけで、そもそもソ連だろうが北の朝鮮半島にどどっとやってきては国らしきものを作っちゃったのは、なわけだ。で、この不始末に責任があるといったらあんたらでんがな、となぜ朝鮮半島の人(特に南)が言わないのかは不思議なぐらいだ。つくづくソ連邦崩壊時にもろもろの混乱と一緒に崩壊していれば世界的な混乱と同時進行で行けた可能性は一応あるのになぁと悔やまれる。ま、それはそれとして。


他の件で検索してたらロシアのニュースサイトに行った。あれと読んだら同じ事件らしい記事があった。それによれば、ボルトンはその会議の場で、「私たちはこのエキスパートの会議でですね、北朝鮮の保護者たち(複数)が何をしようとしているのかがわかるわけですな」、と言った、と。(「な」は私の感触。)


で、これがチャイナの大使を激怒させ、チャイナの大使は、「私らみんな北朝鮮の声明を心配してるんですよ、この問題については私ら全員一致してんですよ、誰も彼らを保護しようとはしてないですよ」、と言った、と伝えている。


Russia Will Try to Prevent N.Korea Nuclear Test — Lavrov
http://www.mosnews.com/news/2006/10/05/lavrovkorea.shtml

“We will find out in this experts’ meeting this afternoon what North Korea’s protectors on the council are going to do,” Bolton said, in an apparent reference to China and Russia, which infuriated China’s representative.

(略)

But Chinese Ambassador Wang Guangya took exception to Bolton’s comments. “We are all concerned about the North Korean announcement. On this issue, everybody is unanimous... No one is going to protect them,” he said.


この手の裏話的なものはいろいろと理由があって出すのかもしれないし、証言もあいまいかもしれないわけで迂闊なことは当然いえないわけだが、でも、両方ともありそうで、しかも趣旨みたいなものが一致しているのが興味深い。


つまり、内輪では、誰なんだよここまで育てたのはぁ、お前が保護者だろうがぁ、的に会話されている模様だ、と。でもってアメリカ的には、ソ連とチャイナに、第三者みたいなこと言うなよな、おい、なんでしょう。でもって、ロシア発は、ボルトン発言を、あきらかにチャイナとロシアに対する言及、と書いているってのが面白いといえば面白い。わかってるじゃん。


でもって、しかし、両方並べてみると、ロシア発は、さりげなくこの、現在の当事者、現在の保護者として知れ渡ってるチャイナにお鉢をまわしているということなのかなという気もしないでもない。でもって、そうだからこそ朝日は、ロシアの部分だけ書いて、元をただせばソ連だろう、と戻してたり、と。おいおい朝日の国籍はどこなんだ、というのオチだったりして。


読売のもあったのね。今知った。
北朝鮮の擁護者」米国連大使が中露を暗に非難
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061005id22.htm


こっちは、

、「北朝鮮の擁護者」との表現で圧力強化に反対する中露を暗に非難、「安保理は分裂している」といらだちを爆発させた。

これに対し、中国の王光亜国連大使は「擁護者がどの国を指しているのかは知らないが、悪行を擁護する者はいない」と不快感を表明した。


なので、基本的にロシア発と似た構造なんだが台詞が違う。
行きつ戻りつ喧嘩してたったことだろうか。