悪目立ちしない

真昼間になにかしろというのが無理なのだ。そういうことだ。そう書いては自分の体たらく(なのか)を嘆く私の個人トラブルはママ。何かのついでにここの人に話したところによれば、ねぇねぇそういえば荷物が云々というと、ま、出て来ないんじゃないの、ああ、でもシッパーさんに苦情を出してもらうのはいいアイデアだと思う、で終わり。なんてーかこー、問題があったら、あったことに対する道義的ななにものかからくる腹立たしさ、いわゆる、多分、義憤というものではないかと思うが、そういうのはカラーっと忘れて、最終的には損害の復旧につとめる、以上、という心構えこそが北米生活に求められるものらしい。ってか、そうなのよ。でもなかなかふっきれない私。


それはそれ。


首相、米議会での演説断る・米側の要請を拒否
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060601AT3S3101X01062006.html


これはナイスな判断ではあるまいかと思った。
というのは、まず、個別の事情、そしてもうひとつは一般的な地合いとでもいうべきところから来る理由で。


個別の話としては、靖国に参拝している問題で、本質的に問題になるとは思えないが、とりあえずそのことでぐじゃぐじゃ言っている人々が米国議会にもいるし、その応援団がどこかにいる。だから果敢に信念を追求した場合、飛んで火にいる夏の虫ならぬ、夏の話題になるだろう。めんどくさい。


地合いの方は、日米関係は政府関係者がどうあろうがともあれ良好なんだから、これ以上目立つ必要はないだろうということ。なんといっても、アメリカの自動車メーカーが下降局面にいるぞおおお。。。という状況で、相対的に上昇局面に入ってしまっている日系なわけで、その大将がなにもそこまで目立たなくても、など思うのだ。


もちろん、日系といってもそれぞれ米国の企業なわけで、昔のように排斥なんて話にはなりようがない。それこそ俺らの雇用を奪うのかと深刻な話になるだろう。しかも、上昇局面が顕著になってくるにつれて、周辺の産業とかもなんのかんのと日系の自動車メーカーの動きにあわせざるを得ない状況にあるらしいとも聞くから影響範囲は拡大しているようだ。つまり、結構に、手堅い手堅い手堅い状態になってる。


もちろんそれは別に日本人に限らず日本発の企業群個々の努力の結果、奮闘の結果ではあるにせよ、アメ人としたらやはり面白くないということはあるだろうし、それ以上に、そのもやもやっとしたルサンチマンの萌芽みたいなものを利用しようという人々もあるだろう。


また、単に面白くない、だけじゃなくて具体的に雇用問題なので、もっと現実的に腹が立つ、という人は当然にいる。トロント五大湖沿岸なので、自動車に関してはアメリカの動きと同期していて、今のフェーズは米系縮小、日系拡大というのがはっきり見える。そしてこれが現実の雇用問題のみならず、地域経済問題になってる(工場が撤退したりするから)、さあどうしたもんか、もうビック3の時代じゃないんだよね(とまだ言ってるとも言う)、ため息・・・という感じ。


(知られているお話かもしれないけど、日系の場合、北米の既存の組合系統と一緒になってない。カナダの場合では、既存の組合の影響力のあるメディア、すなわちいわゆるリベラル系のところはだから常に日系が嫌い、というか、彼らにしてみれば、ずるいぐらいの感じで発言していることもある。逆恨みじゃんか、ではあるのだがとりあえず状況はそうだ。)


だから、そこでわざわざ出すぎてみてどうする、など私は思うわけで、その意味で、純ちゃんの判断は、本当はどういう理由なのか知らないが、いいかな、と思った。


エアフォース1というのはじゃあどう考えればいいんだ、ではあるけど、議会のほうは、靖国問題でトラップが入ったから、そいじゃ止めます、にしやすかった。一方、エアフォースは、乗れるの?うれしーという感情判断が強く、止めることすら考えられなかったとか。