バックラッシュ

疲れた。労多くして実りまったくなしみたいな今日かと思いつつも、いやしかしこれも勉強と気を取り直してお風呂に入ってもう寝る私。


そういう一日だったからというわけでもないのだろうが、カナダの選挙戦は、もう、なんてーか、見てるのがしんどいぐらい汚くなってきた。ネガティブ広告合戦などという域を超えてる。


Canada Election Campaign Growing Nasty
http://abcnews.go.com/International/wireStory?id=1495592


Canada Election Campaign Growing Nasty
http://www.guardian.co.uk/worldlatest/story/0,1280,-5539524,00.html


どこでもいいんだが、もう、どこもかしこも、カナダの選挙キャンペーンがnasty、まぁ汚くなってきたと言い切っている。そりゃそう。テレビつけるのは精神衛生上悪いと思う。子供のいる人はテレビも新聞も見せない方がいいのじゃないかと思うぐらいだ。


保守からリベラルは、与党だったわけだから、約束を守ってない、これはまぁいい、さらに、やたらにスキャンダルばっかりじゃないか、これも仕方がない。しかし、その上、ポール・マーチンはカナダを愛してるとかいうけど自分の会社じゃカナダに税金を払いたくないから外国に拠点を移してるだったかなんだったか、あとなんだったかマーチンの傾向をなじるバージョンは見苦しい。
(捕捉:思い出した。ポール・マーチンは公的医療を守るという、しかし彼は自分はプライベートなクリニックに行く、というのもあった。これは多分本当だろう。ま、首相だからそうしてもらっていいわけだが、なんせこの人は大金持ちだという点で、人々をしらけさせる点はバッチリかも)


リベラルから保守もすごい。というか、今夜のニュースを聞いたところなのでそこでのマスコミ関係者とかの話とか、上で引いたカナダ以外のニュースを見てあらためて思うが、こっちの方は、汚いではすまないかもしれないぐらいに大変かもしれない。


ネガティブ広告は12版あるそうなんだが、私が耳にして目にしてびっくりしたのは、ハーパーという保守党党首が首相になったら、カナダの街に、カナダに、「銃を持った兵隊」が来る、というのだった。

The ad, accompanied by military drumbeats, plays off of some Canadian's fears that Harper is a scary conservative masked as a moderate, and implies he would put "soldiers with guns" in Canadian cities.

http://abcnews.go.com/International/wireStory?id=1495592


いくらなんでも、ハーパーが首相になったからって戒厳令が敷かれるわけでもないだろうし、だいたい、兵が来るって、どういうこと? 
(捕捉:このCMは、流す意図がないのに流れたものだ、ということらしい。なんだかわからないが取り下げられている模様。)


もう一つニュースで見たのでは、ハーパーはカナダのことなんか考えてないんだ、アメリカのようになりたいんだとかなんだとかだった。
(捕捉:ハーパー率いる保守党はアメリカの極右にまかなされている、というのもあるようだ。テレビで言うかぁああ???)
http://www.theglobeandmail.com/servlet/ArticleNews/TPStory/LAC/20060111/ELXNADS11/TPNational/Canada



しかしこうした見解(?)は、テレビ広告だけのものではなく、月曜に行われた党首選挙でも、全国民に向かって、まじまじと、ものすごい剣幕で67歳のポール・マーチン首相は、47歳(だったと思う)のハーパーに投げ付けていた。ハーパーは、自分のうちの先祖はカナダのために戦って、6代だったかの先祖はみんなカナダで、カナダの旗のもとでビジネスをしていると愛国カナダを訴えいた。


この成り行きはハーパーにとってはなんでもない。なぜなら、もともと、牧歌的にもそういうトーンの、カナダによくいる愛国カナダのにいちゃんだという雰囲気を持っているわけだし、強いカナダとも言うんだし、それが受けているハーパーなんだから。ちなみに、カナダの国家には、true patoriotという一節があるぐらいで、結構普通に愛国的、なんなら筑紫哲也が文句を言うというのなら愛郷的、と見なされることは基本的に良いことだ。


しかし、いやしくもリベラルを名乗る人々が、お前の行動はなんだ、愛国的じゃない、と追い込むようなのって、そうして、相手に、カナダの旗の下で戦ってますと言わせるって、そ、そんなのありか? なのではあった。


全国放送の党首討論の後には、各局で総論、討論番組があったが、私が見たの(例の教育テレビ)では、保守党の元議員だとうおばあさんに近いおばさんに、「なにがいやって、マーチン首相は、お前の行動はカナダの価値観(Canadian values)に合わない、普通のカナディアン(ordinary Canadian)と合ってない、自分は合ってるとハーパーに言うんだけど、もし私が普通のカナディアンと違う考えを持ったら、私はカナダ人ではないですか? 私はそうは思いませんよ」と言わる始末だった。そりゃそうだろう。


おわかりだと思うが、保守党のおばさんが言っているような意見を、普通は、liberalという名のつく人々が取る意見と呼ぶ。


カナダ人の大好きなトゥルドー首相時代に重鎮だったらしいおじいさんリベラルも、この件については、上の総括会番組で、何か悪いものでも食べたみたいに身体を振るわせながら困惑していた(ただ、党首討論で、こういう意見が引き出されてしまったのはケベック独立を言うケベコワの党首のトラップにかかったからだ、という筋だったが、1日たって、そんな穏やかな問題でもなかったわけだ)。


前にも書いたけど、今のリベラルは、多様性を言う一元主義者、あるいは多様性原理主義、リベラルであるべきだと自分のリベラルを押し付けるリベラル原理主義になっていると言っていいと思う。


でも、それがどうであれ、さっき見たテレビのコメントは多分真実をついているかも。それはまぁそれとして、でも人々が与党リベラルから聞きたいと思っているのは、もっと別のこと、ガスはどうなるのかとかこんなに都市部の生活が高騰しちゃってどうするのとかそういう話であって、それには何も答えていないんだからね、という感じ。


さてしかし、カナダ人はなんて思っているのかしらないが、私は当然のように去年の日本の民主党を思い出さないわけにはいかない?覆爾海海泙妊丱奪?薀奪轡紊垢襪鵑世蹐Α?,修鵑覆砲泙任靴銅蕕蠅燭い發里辰討覆法