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で、そのチャイナ動向で最も気になったのはこれ。


中国農民、2600年ぶり“年貢”から解放
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20051225i112.htm

【北京=藤野彰】中国で1958年以降約半世紀にわたって施行されてきた「農業税条例」が、9億農民の経済負担を軽減するため、来月1日から全面的に廃止される見通しとなった。


記事からは詳細がわからないのだが(私には、だが)、これはつまり別に農民がタックス・フリーになったという話じゃなくて、地租に対しての税金じゃなくて個人の収入に対するお金になりましたという意味だろうか? でもって、それは地方税からチャージされる、など思ってみたりもするんだが。あくまでこの件に関する私の知識は限られているのでなんともいえないのだが、なんというか、これってあのそので、農民が現金収入を得るしかない状況にさらに拍車がかかる、移動を推進する、しかし都市部を中心とした社会組織は農民分をカウントしてません、さあどうしましょうかになる、とこういうことか?


そのチャイナの農民に関しては、昨年禁書になったとかいうふれこみの「中国農民事情」という本があちこちのブログで言及されているのを見た。


中国農民調査


欧米圏は、今年は毛沢東本でおなか一杯だろうが、これと組み合わさった時、人々のチャイナに対するイメージはどういうものになるのかなと、ひとごととはいえ恐ろしいものがあったりはする。欧米人にとってチャイナとはマーケットであってそれ以上でもそれ以下でもあった時はないと言って言い方と思われるんだが、されここから抜け出す人はいるのか、それともこれだけはこのままなのか、そのへんも2006年の注目だなと思う。


それはともかく、あらと思ったのは、

マオ―誰も知らなかった毛沢東 上



この本のカバーはずいぶんとおとなしい。ユン・チアンの本の(つまり下の)インパクトがない。
私がそこらの本屋で見る、つまり欧米人にとっての「知られざるマオ」とは、この形だ。どうしてこのカバーではいけなかったのだろうか。 
また、なんで「マオ」なの? 日本語だったら、毛沢東で決まりではないのか? 遠慮? 誰に?

Mao: The Unknown Story



<参考>
農業税撤廃についての記事。

(1) ロサンゼルスタイムス発信ベース

Rural residents long have complained about a system that requires them to pay the tax no matter how much they earn from farming, or even whether they are tilling their land. The tax is determined by how much land a family is allotted, regardless of how productive it is. Rural residents who move to the cities but still have farmland also must pay.

Urban residents receive better education and medical services. The health-care system in the country is near collapse. On average, farmers die five years sooner than urbanites.

http://seattletimes.nwsource.com/html/nationworld/2002711273_china30.html


(2)AP伝ベース

The lack of security prevents farm families from using their land as collateral for bank loans. And it makes many reluctant to invest much in land that could be seized at any time by local officials keen to sell the land use rights.

http://abcnews.go.com/Business/wireStory?id=1451528&page=2


<参考2>
Mao: The Unknown Story のイギリス版(だと思う)。
表紙を見比べてみよー。

http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/0224071262/203-8697414-7932711


このページを見ていたら、Maoを買った人はこんな本も買ってますの欄に、

Generalissimo: Chiang Kai-shek and the China He Lost?
というのがあった。蒋介石と彼が失ったチャイナ、と。いい組み合わせだ。ちなみにこの本もイギリス版は下の表紙(これははまぞうから取った)とは違うようだ。

Chiang Kai Shek: China's Generalissimo and the Nation He Lost

Chiang Kai Shek: China's Generalissimo and the Nation He Lost