先週末お伝えしたように、カナダの与党は不信任案をつきつけられ可決された。選挙は来年1月末の見込み。
171-133の評決ということは、つまり、与党内にもいわゆる「造反」組がいたということか。詳細不明だが、数字からはそうだ。


Canada's government is thrown out
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4480218.stm



さてリベラルの勝算はどうかというと、とりあえず今日までのところではどの調査を見ても、リベラルが数パーセント保守を上回る、といったところなので、引き締め次第ではリベラルに目がないわけではない。


そして、スキャンダルで壊れた内閣で、基本的に社会政策の不整備を嘆くからこそリベラルにと向かっていると思しき選挙民が多い中で、この内閣は、これまでの経済の実績で戦うつもりだと言う。APECで小泉純ちゃんに選挙勝利の秘訣を習ったつもりが、昔の自民党案を習ってしまったのではあるまいな(笑)。


マーチンという人は首相の前は大蔵大臣とかやってた、本業は大金持ちの経営者。だから長年赤字に悩み苦しんだカナダにとっては、マーチンが大鉈をふるったおかげで赤字が解消され、今では毎年きれいなバランスした予算を見ることができるという先進国中では結構珍しい国となっている。ありがとう、マーチンだし、ありがとうマーチンって思い出してね by マーチン、で行くつもりらしい。


個人的には、なるほど、とは思う。そして個人的な指向でも、結構なことだとも思う。


が、しかし、しかし、しかし・・・・。マーチンが大鉈を振るったおけげで、つまるところそれまでのカナダ人にとってはなじみであったところの手厚い社会政策の諸々がなくなった、というのも広く語られていた・はず。つまり、リベラル(中道左派中道右派)という構造のマーチンは最右翼なわけで、その経歴からも、保守じゃん、本当はとしばしば言われていた。

But while the opposition is cheering the downfall of Mr. Martin's government, political analysts says the new election, now expected to be scheduled for for January 23, might not change the next parliament very much.

http://www.voanews.com/english/2005-11-29-voa5.cfm


いろいろ野党はマーチンをこきおろしてるけど、次の選挙でも内閣はあんまり変わらないと政治アナリストは言っている、と書いているのはVoice of America。


カナダ人たちは絶対そうは言わないだろうけど、これも一つの見方だなとか私も思う。表面に出るものをとても違ったキャラにしているのは、よくよく見ると、ブッシュ擁護か否かとか、ゲイとか、あとは議員の話し方とか、意外とそんなもんだったりしてとか言えなくもない。


リベラルからしたらこれで大丈夫なんだろうかなぁ。NDP(最も左)にいくらか流れるのを覚悟で、それでも、広範な人数を取り込むにはこれが無難と踏んだのか。ヘルスケアとかやり出せばそれはそれでやっかいだ、と。ここにもスキャンダルの地雷とかありそうだ、とか? わからんけど、NDPの広告がこの間、俺たちは医療に1000円使うといったら1000円使う。800円使って後の200円はどっかにいっちゃうとかしない、とか言ってたから・・・。


そういうわけで、クリスマスからお正月は大変なことになるんだろうなぁと予想。そういえば先週当たり近所の高層階の賃貸住宅の(でかいビルね)一階で、トロントスターが新聞を取りませんかキャンペーンをしていた。1週間1ドル(100円)!!