移民:新規需要拡大

中国が鉄道民営化へ 円借款6400億円 ODA原則に違反
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051120-00000001-san-int

 国際協力銀行が今月初旬、中国鉄道省に上場の事実を確認したところ、「英国式の上下分割方式の企業にするか、日本式の地域分割方式にするかといった改革案の基本枠をまとめている最中だ」として、民営化を検討していることを示唆した。
 また、外務省の有償資金協力課は「中国側から正式な連絡はない。情報収集をしている」としているが、同省幹部は「民営化となれば、中国政府にきちんとした説明を求めたい」と話している。


なにげにすごい。整備は「国」のお金で、あとは俺のもの、って西武王国も真っ青な話し。しかし、日本はチャイナの「国」なのか?
つか、国ごと売っぱらいに入ってるるのか、なんても思いたくなる。

<追加>
これもすごい。

中国、失踪した銅トレーダーは政府関係者
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20051119AT2M1901J19112005.html

10日ぐらい前からチラチラ出てるけどこの相場を張ってたトレーダーはどこに行ったんでしょうね。そっちのミステリーも気になるところ。

トレーダーの身分次第では、中国政府に対して損失補填を求める声があがる可能性もあり、今後も多くの注目が集まることが予想される。(

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2005&d=1119&f=business_1119_001.shtml


払うんだろうか・・・。


つーことで、なにが起こるかまったくわからないと読んだ人たちから順に戻らなくなるっていう寸法なんだろうか。やっぱり、みんなで何か作る、とかいうのが根本的に苦手な人たちだとよくわかっているのは本人たちだということかもしれない。この記事はやたらに「遠慮」して書いているけど、日本でもようやく出てきたのかという感じ。


戻らぬ海外留学生7割超 人材流出阻止へ政府本腰
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200511160005a.nwc


と、その中の少なからぬ人が滞在しているであろうカナダのチャイナ熱はあいかわらず高い。


小泉首相に「選挙で勝つ秘訣教えて」 カナダ首相
http://www.asahi.com/politics/update/1119/005.html


思わぬところにマーチンが出ていたので、おおっと思ったのだが、カナダの首相マーチンさんと小泉純ちゃんがAPECで会ったということらしい。

カナダでは近く議会が解散する見通しで、マーティン首相は「小泉さんは世界で一番の選挙で勝つエキスパート。ぜひ秘訣(ひけつ)を教えて頂きたい」と持ち上げた。


この選挙がどうなるのかを巡って毎日なんか小出しに情報がでているようないないようだが、どうなんでしょう。リベラル(マーチンのところ)が、減税策を打ち出してそれならまぁいいかと思った人もいたかもしれないけど、全体基調としてはリベラル、もう汚れ過ぎ、って感じではあるかな。とはいえだからといって保守がいいのか、で、・・・になってしまうのが難しい。マーチンとしたら、長期自民党政権なのに、スマッシュヒットで勝った小泉政権はもううらやましくて仕方ないだろうと思うが、カナダの将来を巡ってとかいう論点を出すほどの勇気のある人でも政権でもないから、そういう勝ち方はないだろう。だからこそ、税金下げるからね、おとなしくしませんか、という古風な戦法に出ている、と。


実際のところカナダのアイデンティティが揺らいでいるといっても過言ではない状況ではないか、と私は外国人としてそう見ているが、そんなことおかまいなしになっているとも言えるかも、ではある。それもこれも経済。


で、その矛盾は、たとえば、前々回アフガニスタンに兵を出し続けることというのは、リベラルであることによって裏付けられ支持を呼ぶ、少なくとも反対はできないと書いたが、ではしかし、じゃあ、チャイナはどうなるのよ、というのも問題にされても悪くはないだろうが、そこは大きく無視。問題なし。上の話にしても、病院の「民営化」でアレルギーみたいに民営化路線を詛い倒しているその人々は、もし同じことが自分の国で起こったら大騒ぎだと思うが、多分、チャイナの場合、自由でよろしいとか言いそうな勢いだ。


カナダのチャイナ支持、あるいはチャイナ万歳姿勢というのはどうなんでしょうか・・・と外人たる私はそう思うわけだが、そんなこと考える隙間もないほど、なんといったらいいんだろう、13億の人口、ぼう漠たるアジアに浮かれているような感じがものすごくある。

上の記事内に、

小泉首相は「あれほどの大勝は二度とできないだろう」と応じた。両首脳は、日本とカナダの貿易を促進するための「経済枠組み」に署名し、事務レベルで共同研究を進めることで合意した。

と、日本とのフレームワークの話が出ていたが締結したのは今年の初めで、それなりに一応、日本は重要なパートナーです、ってことになっているわけだが、しかしその、一般的にいって日本との交流を見ているような人は、経済の「玄人」さんだけではないかと思う。地道で手堅い、またの名を面倒くさい(笑)ことをやっている人々。そしてその中でも、トヨタオンタリオに新しい工場を作ったことで雇用を増やし、関連企業の興隆も見込めるという堅い話は実際堅く推移している。しかし、これはとても地味にしか扱われない。私の考えでは、製造業のしかもちゃんとした手堅い企業が長期的にそこに居着くことになるぐらい地域経済に貢献するものはないだろうし、生活スタイルが計画的で安定的になってくることは住民のものの考え方にも影響すると思うから、こんなに幸いなことはないんじゃないかと思う。


が、しかし派手さはない、からなのかなんなのか、とにかくメディアでは今年一年、チャイナがチャイナがチャイナがとやっている。今回もAPECがらみがあったので、またチャイナで、カナダからも特別訪問団みたいなのが行ったらしい。ものすごい富豪に会ってきたらしくて、テレビの堅いニュース番組の解説をしているプロの人々(日本みたいにコメンテーター勝*が話す、とかいうのはほとんどどの局でも存在しない(笑))が、はっきり、うかれまくっていた。


カナダとチャイナは非常に世ぅ僖ぅ廚之襪个譴討泙后△覆砲靴蹇▲?淵世聾什澆離船礇ぅ覆鮃颪箸靴毒Г瓩榛能蕕旅颪裡韻弔任垢?蕕諭△函⊆??靴討拭


私はこの情景をものすごく不思議に思う。一方で、ウォールマートの安いもの作りが、第三世界でのチープレイバーに基づくんだと大騒ぎをしておいて、ウォールマートが労組を許さないといわれているそれをテレビを使って批判していたし、今でも、少なからぬ人は、資本主義がもたらした罪悪だ、的に蛇蝎のように嫌っている。


が、その一方で、なんでチャイナの、それこそチープ中のチープ製品が出回ることはOKなのだ? アメリカがからむと資本主義の権化で、チャイナだとOKって、それはあれか、「ソ連の核はきれいな核」と同じか?


ついでにいえば、どれだけ言っても、輸出の8割の宛先がアメリカで、輸入の7割もまたアメリカではある。
もちろん、だからこそ、この比率を下げたくて仕方がないという「感情」が働くのだろうとは思える。が、チャイナに輸出するといったって、輸出できるものは、船賃かけてもそこまで競争力のあるものってカナダじゃ限られている。つーことは、「私たちのパイプは太いです」となればなるほど、むしろ輸入が、つまり、安い製品が輸入されてくるだけじゃまいか? あとは、いくらかの競争力のある産業が、チャイナでの建設などに組み込まれるか、か。


ってことは、一般の人にとっては、あらがってもあらがいきれるものではない(だって買う人が多いんだもの)ウォールマートと、店の名こそないが実質的には同じところから回ってくるところのメードインチャイナが大量に出回るという結果が見えてる(既になってる)だけで、これによって製造業にあまり見るべきもののないカナダは、もっと作れなくなるということもある。サービス業で食ってくつもりだからいいのか・・・。そしてそのサービス業は、移民のチープレーバーでまかなう、と。


NDPという一番左の公党の党首ジャック・レイトンのおかみさんはトロントでは有名なチャイニーズ系の市会議員で、なにかにつけとにかくこの二人は一緒に行動しているように見えるのだが、彼女なんかはこういう巡り合わせをどう考えているんだろう? 聞いたことはないんだが、なにか機会があってそこらで演説会もどきが行われていたら行って質問してみようかという気になる。チャイナの興隆がうれしい、とかだったりするのだろうか? わからんけど。



で、その移民について、チープレーバーとしての移民という側面に今スポットをあてたわけで、この点からの議論は移民についてのいわばスタンダードに見える。たとえば、

移民を受入れに関しては、当時フランス国内でも異論があったはずである。特に保守的な人々は移民に反対していたと想われる。しかし製造業の競争力を維持するためとか、人の嫌がる職業に人が集まらないという雇用者の意見が強く、移民を認めたと考える他はない。日本においても、雇用者の代表である経団連が、外国人単純労働者の受入れの自由化を強く要請している。

05/11/21(414号)
http://www.adpweb.com/eco/


安い労働力としての移民という視点の代表例、「経済コラムマガジン」さんの新しい記事の中から御借りした。


しかし、移民というのは、そういう供給の側だけでなく、需要の側としてももっと観察されるべきじゃないかと思う。つまり、なんにせよ、どんな職業でも、どういう顔でも色でも、とにかく人が存在すれば、その人はものを買う。それが家族持ちだったりしたら、その需要は限りなく長くかつデカイ。一人もんなんか目じゃない。


だからこそカナダはファミリー移民を歓迎している、と考えて悪い理由はまったくない。アメリカも同様。つまり、一定の需要を絶対維持するという点だけは譲らない、と。


そして、この需要は移民の初期においては特にウォールマート的なものの大顧客となる。ウォールマートに限らず、どっから持ってきたんだ、これ、という感じで、非常に安価なプライスのついたものが大量に並んでいるところにいけば、それはすぐにわかる。


私たちは日本というあまり「0から暮らす」という人を見たことがない社会に住んでいる(私は少し離れたが)。だから、この「勢い」みたいなものはよくわからないところがあると思う。せいぜいが、大学生とか新入社員が「一人暮らし」を始める時の需要が確実に通常期より大きいことを知っている程度だ。


しかし、その大学生だって、いくら本人の自由になるお金が少なくとも、彼は昨日までは一通りの「モノ」に囲まれて生きてきた。でもって彼には親も親戚もあって、モノは豊富に自在に、あるいは適宜、とにかくなんてこともなく存在する。だから、一人暮らしになったから「こそ」の「こだわり」なんてので購買する。つまり、面白いとか、ちょっといいとかちょっとおしゃれとか、若い人向けとかなんとかかんとか、いろんなものが望まれる。小さな需要が多種多様に存在している市場が存在する中でもさらに、若い人向けのマーケットというのは多分結構回転のいい市場かな、などとも思う。


が、しかし、移民という中のほとんどの人々というのはそうした「モノ」との付き合い方、距離の取り方、自分で使えるお金との相談の仕方(そして究極的にいえば、我慢と計画性みたいなものも含まれるかもしれない)がほとんどない、少なくとも体験したことがない人ばっかりだといっても過言ではない。つか、シンプルにそうだ。


だから、安くてものが買えるとなったら目の色を変える人が大勢いる。でもって、私(日本人ならたいていの人といってもいい)が見るところ、それって、安いけど質が悪いから「お得」とは思えないんですけど・・・というものでもプライスの安さに負けて買っていくということも多々ある。はっきりいって、私の判断ではここってボッタクリだよなと思ってみてる店もある。やたらに安そうに見える店なんだが、要するにハネモノを出しているから安いものが確かにあるが、それ以外のものは、じっくり選んで普通のスーパーの特売でも狙った方がよっぽど安くつく。が、こういうことが普通に行える人はそれほど多くはないのが世の中なのかもしれない。


と、つまり、チープな商品は、ところを変えながらもチープレーバの担い手の中を回っている確率はとても高いかもしれない。

そして、この移り住むという行為によって、需要を喚起しているわけだから、カナダ(またはアメリカ)の経済にとってはおいしい。しかし、そのおいしさは、需要の質を変えていこうという作業ではないから、常に、移り住む人々、つまり、質ではなくて量として換算されるものが期待される人の到来を必要とする。


カナダは、アメリカに勝るとも劣らないぐらいに、一般の消耗品の寡占状況が強いというか深刻。スーパーマーケットなんか、上位2社か3社しかないに等しい。その他小売りはものすごーーーく小規模なものしかない。その上で、郊外にやたらめったら家を建てる。移民して来る人がいる以上、このマーケットが枯渇する事はあり得ない。そしてちょっと前まで畑だったところに町を作るったって、町にはならないわけで、そこに大きなスーパーマーケットかモールができれば、そこでしか買い物をしない、ではなくほぼできない人が大勢発生する。すると寡占化はさらに進む。今このフェーズ。


そういえば、日本で、アメリカのバブルについて深刻なことを言う人がいるけど、いささか事情が違うんですけど・・と前から思っているのは、確かに金利の問題でこけるフェーズはあるだろうけど、移民が恒常的にある限り、家の需要というのは最低でも横ばい、減ることはない。トロントなんかはそもそもの町が小さかったから、今度もしばらく減ることはないと思う。(今、大トロント圏で450万人だかなんだかそのぐらいいるのだが、あと5年だかで、さらに200万人増やす計画だ、とか言ってるのをテレビで聞いた。冗談と思いたいが)


ざらざらまとまりなく書いたが、ある種変則的な、資本主義の権化に陥っているのがカナダなのじゃないのかと思う。そしてリベラルは移民を積極的に受け入れるという政策を通してそれを推進してきたという意味で、巷間言われる、やたらにビジネスづいている、という噂以上に、本質的に「権化」だったということかもしれない。


むしろ、保守党の方が、極めて単純な、あるいはソーシャルエンジニアリングに追い付けない、古典的な自由主義万歳派にすぎない、とさえいう意味で、グローバリズムに乗り遅れた人々だったとも言えるんじゃないかろうか。