成熟社会の最大幸福

民主党新代表に前原氏、2票差で菅氏を破る
http://www.asahi.com/politics/update/0917/007.html

なんというか、ではこの党はどういう党ですかへの答えがまず先だと私は思うわけだが、そうはいっても日にちもないことだしと代表決まる、と。

代表選で前原氏は、政権交代を目指す体制づくりのために「しがらみとの決別」を繰り返し訴えた。就任後の記者会見でも、肥大化した行政機構や天下りなど既得権益に切り込んで「小さな政府というよりは、効率のいい政府」を目指す考えを強調。その一方で「本当に必要な所にはお金を回していく。セーフティーネットをしっかり張っていく」と述べ、自民党との差異化を図る姿勢を鮮明にした。

 代表選では菅氏も、小泉首相構造改革路線を「強者の自由主義」と批判し、「最小不幸社会」の実現を訴えた。


多分考えて言ってないと思うんだが、しがらみとの決別って、自分たちにとっての内部事情でその語がぴったりだという心情でそう言っているんだろうが、選挙民との約束も「しがらみ」だからね。しがらみと決別してあらぬ方向に走られても困る[だから何かしら約束してそれを元に選ぶ;捕捉12時間後]というのが選挙の意味だろうと思う。し、小選挙の意味でもあると思ったりする。 [よく考えて書くように。はい。]


小さな政府とセーフティーネットというアイデアは非常によく呼応する。原則的に個人は個人の責任で暮らしてくださいね、そりゃ競争もありますよ、セレクティブでコンペタティブであることがあなたのクオリティです、いろんな意味でね、でもね人生勝ちがあれば負けもあって、頑張った結果として不幸な境遇という事もあります、その時にはこんなバックアップがありますよ、支援しまっせ、というのがセーフティーネット。一種のスケールメリットとしてとらえればいいのではないかとしばしば思う。

だから原則的に個人が何を幸福と考えるかあるいはその逆かというのには、政府つまり国民の総意はできるだけ手を突っ込まない。


それはだから、「最小不幸社会」か否かを計る尺度はあまり重要ではない、という意味でもある。不幸かどうかは大きく人の心情に依存するのだから。で、「最小不幸社会」って、最大幸福を追求するって意味でしょ? ひっくり返しになってるだけで。これは名高いベンサムが頭にあったのだろうか、やはし。これは菅直人氏の発言ではあるけど。とりあえず、根本的に、こういう、人々の幸福のために様々なことを行うというのは大きな政府を指向してしまうのだし、社会制度がうまく機能するためのインフラ(法や経済の仕組み)が整っていなかった時代には非常に意味があったわけだが、今言うのこの社会で?と私は考える。成熟社会における最大幸福というのは、相当に難儀なことだと思う。まして清貧OKの人がちょっと前まで北米比200%、んでもって、大事なことはお金ではないのです、という言辞が実際有効に機能する比率も同比300%、対中比500%(いずれも当社比; ;)ぐらいだって社会で、幸福を基準にするのは大変だ。


でも、日本の中で長らく落ち着かないながらも存在するロマン派風の過激社会主義思想よりは、新自民に対する線としての狙いはいいのではないのか、とも思う。歓迎の向きもあるだろう。

が、しかし、それは、小さな政府とは脈が別だし、「効率のいい」というのとも、多分同期しない可能性も高いのじゃないのかなとは思う。


この1か月、自民党はキャッチフレーズ、ワンワードポリティクスだ、みたいなことが非常に多く言われたが、キャッチにもならないワンワードを思い付いては出しているのはむしろ民主党だと思う。事こうなるのも、誰でも知ってる通り、どういう党にするつもりなのかのグランドデザイン部門をきれいさっぱり無視してるから。


新しい党首が「基本姿勢」でこう書いているわけで、ようするに、自民でないならなんでもいいのまま行く気なのか? いくらなんでも持たないと思うけどなぁ。ミニ政党ならともかく。

民主党の原点は、
・ 族政治
・派閥均衡
既得権益
・官僚的機構主義
といった自民党型旧来政治を打破すること。

http://www.maehara21.com/kihon.html
[URL追加:9.18]

なんか、民主党、負ける前よりさらにまずいことになってる気がする?