古い人


◆海外メディアが伝えた小泉・解散劇の評判 8月11日 立花隆
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050811_kaigai/index3.html

3日前から、NHKの取材のつづきで、米ロサンゼルスに来ている。小泉首相解散総選挙の決定を下した日だ。

日本ではもちろんトップニュースになったにちがいないが、アメリカでは、ほとんど無視された。


日経さん、別に予算ないわけじゃないしリソースないわけでもないと思うので、何もこの人に原稿を書いてもらわなくてもいいのじゃないでしょうか。クォリティを落とすだけ。


そもそもアメリカに来たらアメリカのことがわかる、と思ってる時点で既に古すぎ。1970年ならこういう導入もあり得ただろうが、この時代になってはもはや無理。


しかも、LA Timesを読んで、CNNを見てそれを判断するという行動形式があははすぎ。それらは普通のアメリカの話を追う媒体だし、そこに深い話があるとは普通誰も思ってない。また、アメリカの新聞は、WPやNYTが特別な使い方をされることを除けばいずれも基本形は地方紙だって何回言わせるんざんしょ、ではある。(あと近年とみにそうだが、新聞はニュースソースじゃなくて、論考ソース、コラムを読ませて何ぼみたいな媒体ではある。)


で、日本が取り上げられてないっていうけど、フランスとかドイツの選挙だって、ニュースの普通枠では扱いは小さい。よほど現在の事件なりに関係があれば別だが。で、なぜそれでいいかといえば、経済物の雑誌やら新聞がわんさかあって、国際情勢なるものはそっちでフォローされるのが普通だから。


経済と政治は別物だという土壌(日本だが)を標準にするから、政治のことは一般紙で、なのだろうが、政治と経済は北米では全然分離していないので一般にビジネスのカテゴリーにあるニュースの方で詳しくカバーされる。


まさか天下の立花氏が知らないはずはないと思うので、なんとなく、日本は無視されてるんだぜ、を彩る話しとして組み立てているのかもしれない。なんだかなぁ。


でもって笑ったのはこのへん。

もし中国の首脳が交代したら、どんなに政治力のない人間から、別の政治力のない人間への交代だとしても、これほど存在感が無視されることは絶対にない。アメリカにとってのアジア諸国の重要性のランクは絶対的に変化してしまったのである。


そりゃだって、一人変わったらものすごい変わり方をする可能性があるから注目するんでしょ? チャイナが抜本的に首脳交替ならぬ政権交替をするような時があれば、その時は注目どころか、各社は号外を出し、特番を組むわけです。で、その可能性はここしばらくはないでしょうが100年単位はおろか30年単位でも保証の限りではない。


日本とかドイツとかは、シュレーダーが勝とうが負けようが基本線の変化は想定内なので、多少キャッチアップが遅れても誰も困らないし(選挙で食べてる人以外は)、そもそも変化量が小さすぎて伝える内容がない。注目が小さい。それはつまり、既に成熟しているというべきだろう。法と秩序の中に政権があるということ。Business as usualでしょう。


なんだかなぁ。エマージングの変化量が大きいのを見て、すばらしい、未来は明るいだけだと感じる人がいるんだなぁみたいな感じか。


この5回分の原稿すべて、そこらのブログ以下、なんてものではなくて、そこらの普通のおじさんの現状認識の方がはるかに健全で現実的だとさえ言えるでしょう。それにもかかわらず、こういう人の原稿を掲載大きなメディアがある。


これこそ日本の深刻な問題だ。でも崩れていくだろうがそれはどのように?というのがまったく見えない。


わかった、日経さんの戦略は、ダメなものを見せて読者に判断させることの重要さを理解してもらおうというもので、自ら汚れ役を買っているのに違いない。