筋金入り

わけのわからない国連人権委員会なるところからの特別なご訪問について、goriさんが日本でのニュースソースをまとめてらした。お借りします。


悪辣、国連人権委員会を利用した情報戦
http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/200507121322.html


しかし、楽な商売だなぁ。9日間で、一方的なサンプリングで任意の試薬たらして、一方的な見解を出してOK、って、今時これで食っていけるのはこのへんしかないだろう。シンクタンクだって影響力または分析力がなければファンドの心配をしなければならないが、国連なんて、自分で稼ぐ必要もないし、政権交代なんてのもないから、いつまででも好きなことができる。


なんてアンフェアでなんて楽勝な商売なんだ。でもきっと、難しい御勉強をして職員になったんだ、ぐらいいうだろう。国連の敷居はまず学歴だから。と、それってまるで科挙制度の元での官僚のようだななどいってみたいものがある。一回官僚になると一族郎党食えるという噂の科挙制度下のそれ、あるいはまた家産官僚的だといいたいものもある。


で、その結果の外信状況はといえば、まずチャイナ、コリア系またはアジア系一部メディアがしっかりお伝えしていて、その他では私の定点観測地であるBBCが伝えていたので読んだ。


Japan racism 'deep and profound'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4671687.stm

Mr Diene says he plans to recommend that Japan enact a law against discrimination, which he said should be drawn up in consultation with minority groups.


例のディエン氏は、日本が差別に対する法を制定するよう勧告する計画があると言っている、と。つまりこれって、人権擁護法案でしょうか。


あはは、といってはなんだが、どうすりゃいいの、この分かりやすいやり方は、というしかない。



不法滞在のメール通報制度、「外国人排斥の風土を助長」
http://www.asahi.com/national/update/0711/TKY200507110128.html


こっちはもうハレホレヘレ・・・。国民が何かを考えて当局に電話するのが悪いってのか? 

メール通報制度について、入管総務課は「端緒を得るためで手紙や電話と同じ」としている。


まったくその通り。


ついでにいえば「入管」を怖がるっていう心理が過剰にシンクロされてるか、勝手に極大化しているのかも、氏の頭の中で、などとも思う。入国管理局に知り合いがいるのよ、ってのは聞くところによれば、伝統的に北米で恐れられ、あるいは、嫌悪されてきたある種の陰湿な発言らしい。ま、移民のるつぼですから、そう言われると怖がってしまうというケースは容易に想像がつく。

が、効かないのに「がいこくじん」と見るとつい言ってしまうケースもあるらしくて、私が聞いたのは、短期留学でカナダに来ていてホームステイしていた日本人の若い子が、ホームステイ先のおばあさんと折り合いが悪くなっている時に、ちくちくと入管に知り合いがいるのよと言われたという話。彼女は最初この発言の意図がどこにあるのかわからず、はぁみたいに聞いていたが、だんだんと、ああ、これって、つまり、あなたここにいられなくなるのよ、の脅しなのかと気が付いたということだった。彼女が怒るまいことか。


とはいえ私自身はこういう通報とか密告とかいうのをそれほど気持ちのいいことだとは考えてないが、そういう行動に出る人を止めることもできないと考えている。彼らには彼らの判断があって、これはまずいかこれは良いか(その内容だってそれぞれだろう)なにがしかの考えを当局に伝えるべきだと考えてアクションを起こしている。で、当局はどれほどもこれほどもバカでない限り、おそらく戦時下の憲兵であってさえも調べはするだろうし、そこにはまた彼らの判断があって、それが悪かったと思うなら、またぞろ国民個々か、気付いたどこかの人(これも国民だ、たとえ首相でも)が抗議するなり、意見を差し挟むことが可能になる。


つまり、ディエン氏はそうした、民主的ステップというもこそばゆいぐらいの、ま、別にそんな名前のついていない時代にも異議の申し立てなどしていた人は大勢いるだろうが、そういうのもダメだといっているのに概算で等しい。やっぱほら、家産官僚の考えることだからかしら、などいいたい。


さらにもう一つ、密告制度がいけない、という一般論を受け入れたとしても、同時に、不法滞在をOKだというわけにいかないんだが、その件はどうなるのかにこの人は言及してない。


ってか、ウトロを見ればわかる通りだが。ようするにディエン氏が引き出しているところのvalueは、法の遵守よりも「外国人」の権利が大事だ、と表明しているも同然っちゃ同然だ。不法占拠を不問に付していることから考えても、ま、筋金入りなのかもしれない。


と、この人には愛がないと前回は嘆いたが、それ以前に社会というのが現実にはどう動いて社会と呼ばれるそれになっているのかについてのバリエーションを学習する必要があると思うし、法と秩序への信頼がない人なのかもしれないし、少なくともそう見える行動を取っている。知識も愛も秩序感もない人にいろいろ言われてもどうしようもないのでもうどうでもいいかって感じか。


ただ、面倒くさいことを避けるためには、この調査がいかにサンプリングに問題があり、問題設定に問題があるかを外務省かどこか、あるいはもちろん個人とか研究機関でもいいがまとめておく必要はあるだろう。返事がない、なんだお前、国連を無視するのかぁ、とこられたら一応お返事ということで。普通はここで適宜日本のジャーナリズムが声をあげることで国外でのバランスが取れるはずだが、日本の中には日本の立場を主張するマスコミって基本的にないと思っていたほうが適切だという状況だから、いろいろストックしておくか、各人各様がんばってちょっとずつ風穴をあけよう!ということしか今はできない、と。



で、さっきのBBCだが、deep and profoundに「」がついているのもあるし、なんかこの間の事情をわかってて書いてる気が私はする。さらには、そこから、これまでのBBCのレポートのテーマにリンクされていて、それは確かに日本の中では外国人はとっても苦労してるんだ、日本はもっと多様にならないとなんない(divsersityを受け入れろ)という話になってはいるのだが、よく扱われてるよ、というインド人のカップルが紹介されてもいる。


日本は高齢化があるから外からの人だっていれなくてはならないんじゃないのか、という視点にはいろいろ異論はあるにせよ、このレポートは、読み手にいろんなことを考えさせ得るレポートかなと思う。


「マイノリティ差別」という大雑把な話にはしてなくて、日本において外国人として登録されている人数と各国別(コリア、チャイナがダントツ)のパイグラフが乗っていて、そのうえで、不法滞在者が25万人いるという数字もある。ここから何を考えるかは、そう一様ではないと思う。



ま、国連人権委員会氏の特別な夏休みレポートから、


日本の差別解消へ歴史教科書改善求める・国連人権委
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050711AT2M1101411072005.html


こんなことを引き出しちゃう話につきあえる人はあまりいないっ討海箸な?隼廚Α


教科書改善を求める理由としては、日本の差別が歴史や文化を背景としていると説明した。具体的には、少数民族(マイノリティー)の記述を増やすよう提言した。

これって、すごいよなぁ。どうやったらここまで大きな結論を出し得るのか。