サガン死去

フランソワーズ・サガン逝去 03:39
http://d.hatena.ne.jp/fenestrae/20040924#1096051182

fenestraeさんのところで知った。69歳だったというのにとても驚く。え、まだそんなだった?と。なんとなく、もうとっくの昔に終った話のようなそんな気になっていた私。それは多分自分が少女時代に諸々の世界文学全集と同時平行して読んだからだろう。新潮文庫に入っていた濃いピンクの背のシリーズは全部(多分)読んだと思う。ただの一冊もフランス語で読んだことはない。仏文科だっつーのになぁ、だが、大学生になる前に読んでしまったからではないかと言い分けしておく^.^;;。明らかに苦しい言い訳だが。


少女期、青年期に読んだ本がその人の人生に影響を与えるというのは神話だと思う。どう考えても、まったく不幸なことに、まったく不運なことに、自分が影響されているとは露ほども思えない。


極めて馬鹿げた蛇足なのだが、しかしこの サガン の濃い ピンク の背表紙には忘れられないエピソードがある。

大学生になった私の机の上にはこの著者の本とあと数冊なんだったか並んでいた。別に好きだったから並べたという理由ではなかったし、考えて並べていたわけでもなかったがそのうちの多くはフランスの作家のものだった。と、ある時友人の一人が遊びに来て、「フランスのものばっかりだね」と言った。

私は、上に書いたように理由はなかったのだが、2度目に「なんでフランスのものばかりなの?」と尋ねられた時、「う〜ん、なんでって、フツブンカだからかな?」とでまかせを言った。

これで終わりになると思った私の予想を裏切り 彼女 は、

「なんでフツブンカだとフランスの本になるの?」と言った。私は、予想もしない展開に、一体何を問われているのだろうかと悩んだ。答えは妙なところにあった。「だからフツブンだから・・・。」「だからなんで?」「はぁ?」の応酬の後、彼女は「仏教とフランスってなんか関係あるの?」と言った。
 彼女は大学生になったその日まで、「仏文科」とは仏教関係学科だと堅く信じていたのだった。

 多分、これが私とサガンの本を結び付けていた最後のエピソードだったかもしれない。