冷戦のツケを今払っているということか

昨日分で書いたボビー・フィッシャーの件、munagurumaさんにもコメントをいただいてますが、本当に日米に取り引きがあったか否か以前に、そうだった可能性あるわけだね、とすでに英語圏(その他言語圏は現在のところ私には不詳。情報歓迎)では書かれている。


私が昨日引用したところは、そういう「読み」は抜きの事実たんたん型だったが、デトロイトの新聞じゃ、16日(日本時間ならおおむね17日)に盛大にそう書いていた。[追記:この新聞に限らない16,17日であっちもこっちもだった。中身はそれぞれ若干違うにせよ]
http://www.detnews.com/2004/nation/0407/17/-214849.htm


いわく、

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ボビーの拘束及びUS当局への引き渡しの可能性は、米軍の逃亡者として嫌疑を受けているチャールズ・ロバート・ジェンキンスを日本に連れてこようとしている日本政府にとっては、米軍に協力するチャンスをもたらす。ジェンキンスは緊急に治療を受けようとしている。

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この記事、AP伝らしいけど、日本での協力者の人の話しなんかもあってとても詳しい。


以降のおっかっけ記事は見当たらない。ただ、あっちこっちでコメントが付けられているわけで、やっぱり有名人だなとしみじみわかる結果になっている。


なんせボビー・フィッシャーはそもそも並の有名人じゃない、天才でしかもソ連に勝ったぞ、のチェスプレイヤーで、その上先頃、911について、まったく結構な話しだ、だの、ビンラデンは少なくとも一人のグランドマスターを味方にしてるぜ等々おおっぴらに発言したことでさらに有名にしてしまっている。


ただ、個人的には、これを機会に911以後にラジオで語った内容を読んで、どっちかっていうとがっかりした。もう少し陰謀がかってるかと思ったのに(笑)、単なる熱血偏屈オヤジじゃないのよ、だったから。

アメリカはこのままじゃダメだ、こんな国とんでもない、そもそもアメリカってこういう国なんだ、白人はヨーロッパに帰って、黒人はアフリカに帰って、そうすりゃすばらしい国、最初っからやり直せばいいんだ、とかなんとかそういう内容。これを読んで、なんだあんたアメリカ人だな、と思ったわけ。この程度のことを言うアメリカ人はいる。まぁ誰にでも彼にでも見境なく言うかどうかは別として。


この人は母親がポーランドユダヤ人、ってか、アメリカじゃそう表現するけどポーランドにいたらユダヤポーランド人なわけで、私としては、このたびの911を頂点とするすべての話しにやけに登場するポーリッシュ・ジュー、シカゴ、ってのに結構な興味関心を持っているので、ここでボビーの登場はさらに興味深い、と思ったのだが・・・。違うっぽい。


なんせ、ボビーにしてもジェンキンスさんにしても冷戦構造さえなければこんなことにはなってない2人だという意味では共通している。