鎧甲冑なきナイト

Soreda2004-07-14

イギリス議会のPublic Administration Select Committee(行政選定委員会とか、そういう感じだろうか?)が、政府の叙勲システムを近代化するべきだとイギリス政府に対して勧告したそうだ。
http://thestar.com/NASApp/cs/ContentServer?pagename=thestar/Layout/Article_Type1&c=Article&cid=1089712925864&call_pageid=968332188492&col=968793972154


過去の身分制秩序を色濃く反映しているナイトだのマダムなんてのを政府が出す叙勲に使うのはやめよう、と言ったからといってやめられるのかどうかわからないけど、他のコモンウェルス(近似値で旧大英帝国連邦)ではこういうのやってなくても別に不都合はないわけだしと委員会は言っている。この委員会のせいなのかの因果関係は不明だが、すでにそういう「おほめ」の機会は減っているらしい。

ブレアは今のところ反応なし。

私としては、記事そのものよりも、

「あなた、こういうんじゃなかったら、ナイトなんて呼ばれるべきじゃないわけよね」とのキャプションと写真が笑える。でも、鎧甲冑なきナイトというのは考えてみればおかしなものではあったのだが、ナイトと呼ばれるために忠義だてするといった微風的な美風だってあったのではないのかと考えると廃止のもたらす効果は良風であるとばかりはいえないのかもしれない。ただ、この対象者は外交官とか公務員が占められているのだそうで、これじゃぁなぁ、ではある。

イギリス人って、これを変えてしまったら近代じゃない、とか、先進国じゃない、仲間はずれになっちゃうと気をもんだり、回りも見比べなければならない理由が相対的に極めて小さいし、本人たちもそんなことをしないとならないとも思ってなさそうだから、だからこそ、とてつもなく古々っちい慣行が残っていたかと思うととんでもなく過激だったりするんだろう。一見どうしてそんな新旧が、だが根は同じだ。