と思ったら上訴するらしい

http://www.thestar.com/NASApp/cs/ContentServer?pagename=thestar/Layout/Article_Type1&c=Article&cid=1089151811802&call_pageid=968332188492&col=968793972154


正直にいえば、こんな楽勝(?)の判決でもイヤなのか?と思わず驚く。
だって、有罪は有罪といったって、正規の空軍の刑事裁判(the air force's criminal court system)ではなくて、下位の「司法外の」("non-judicial" forum)、軍司令官が統括するシステムの中での話し。で、この内容が、叱責の上、60万円ぐらいの罰金を払う、だけど軍籍は剥奪されない、ただしもうパイロットではない、というのがバツといえば罰。


誤爆で死んだのは4人。普通の刑事罰だったらこんなことってあり得ない。

ただ、この「内輪」システムの中での叱責文はかなり厳しくて、上官の命令を忠実に遂行しているとはいえないだろうがこのバカヤロー、恥知らずめが、的な感じの文だった。だから米軍的には悪いことは悪いとカナダ側に言ってこれで終わりにしたかったの?なんても見える。

ところが上告。で、この誤爆パイロットの弁護士が興味深いことを言っている。

「この判決は空想に基づいて、殺人の有罪判決に等しいじゃないか」


さてしかし、人は確かに死んでいるわけだ。

要するに問題はここだ。
軍隊は敵と交戦中であれば人殺しはOK、英雄だ。ここまではイヤでもみんな知ってる。しかしその交戦中にも間違いは起すし、えひめ丸みたいに交戦中じゃないのに凄いことをしでかす可能性もある。その時その量刑はどうなるのだ? 通常の裁判ならまだ量刑等に関してのコンセンサスを求め得る範囲にはある(まったく機能しているとは言えないにせよ)。が、軍の内部とはどうなっているのか、普通の人には知りようもないし、誰に声を出す権利があるのかよくわからない。まして戦時下だったらそれはすべて軍の機密だろう。

そして、よくよく考えればそもそも「敵」かどうか身定まらない人もじゃんじゃん殺して行く戦闘体制下にあっては、殺人と戦闘の区別はどうつくのだろうと考えをすすめることもできる。妄想の中の敵は敵らしい顔をして、しかも兵士の装いでそこにただ敵として存在するだろうが、市街戦の中には兵士でないものがまず多く含まれ、さらに非常な拡大解釈を試みてさえも(e.g.敵と名指された国民はすべて敵であり予??嫉里任△襪箸い辰燭茲Δ福砲修海?蕕呂濬个靴討靴泙?佑?泙泙譴討い襦


つまり、軍が拡大化すれば人々が無法の中にぶちこまれる可能性は拡大するということだ。


ふと思ったけど、アメリカ人が全員軍籍にあったりしたらどうなるんだろう? そのへんで行われるケンカもいざこざも通常考えられている裁判システムではなくて、みんな軍管轄のフォーラム形式で仕切られるんだろうか? 殺人罪であっても。つまりこれって、司法外、治外法権なんだよね。だから、軍を持つとは、一国内治外法権システムを許容するということではあるわけだ。いやぁ、こんなこと言ったら叱られるのかな(誰に?)。でもそうだ。


軍を持ったら最後ここまで考えないとならないわけだ。