カナダの総選挙雑感

カナダの総選挙について、メールをもらったので考えてみました。

Q. カナダは二大政党制なのか

A。違うんですがそうです(笑)

最終的に2つの党が大きく出て、それが与党と野党になるわけですが、最初から選択肢が二つしかないわけではないですし、そういうのが二大政党制だとも思ってなかったりするのかもしれないのがカナダの現状かなと思います。

つまり、保守/リベラル/NDPの3つから選んで、その時々で最終的にマジョリティができているのにすぎない、と。

たとえば、実際の闘争場面から考えてみると、保守/リベラル/NDPの三すくみから選んでいる感じが非常にするのは、BCなんかでしょうか。保守が議席を失ってNDPになるというケースが発生します。こうなるのはリベラルの存在感が、東部で強く、西部で圧倒的に弱いためでもありますが。

またオンタリオ州の各選挙区も、保守vsリベラルもありますが、リベラルvsNDPもいっぱいあります。今回もかなりgood fightになってます。

また、ケベックでは、ほとんどリベラルかブロック・ケベコワかの争いといってよく、そこに保守の得票が前回13%、今回9%と、ほとんど話しになってない的に弱いのですが潜り込みます。ですのでここの三すくみはまた別種。

Q.?NDPはあまりにも少数派でしょ?

A。まったくの少数派です、議席の上で。しかし得票率になると、この差は小さくなります。

例えば、ラフにいって、保守30%、NDP15%の得票率ですが、議席数は96 vs 22です。つまり死に票が多いわけですね。

そういうわけでNDPは当然比例配分を言うんですが、あんまり熱心に考えら得ているふしはないです。つまり、完全少選挙区制です。したがって…、

Q。連立政権をするとしたらどこと組のか

A。欧州大陸型及び日本型の一連託生的連立はないのでは?と思われます。
で、その理由の1つが、単純小選挙区制マインドじゃないかと私は考えてます。つまりとても単純に勝ち負けで、マジョリティを決める。

しかし、実際には少数党といっても得票率は高いし、とても無視できるものでもないという現実が今のところある。だから、ここである種virtual representative的マインドが働くのか?などとも考え得るでしょう。つまり、個々の議員はカナダ人を代表しているんだ、という基礎が固いと。

それが証拠というのでもないですが、夕べの選挙後の各党首のスピーチは、ケベックのケベコワ以外は、ターゲットを全部Canadianにおいているという感じがありありでした。

また、候補者すべてに感謝する、なぜならそれがカナダのデモクラシーを機能させているんだから(マーチン首相)という言葉も聞かれました。

で、アメリカでもそうですが、最終的に選挙が終わった時に、対立候補者に挨拶をする、一言言及して感謝を述べるシーンが必ずあるんですが、この意味は、こうやって論戦を戦わせることが大事だったんだ、あんたがいなかったらこ譴呂任?覆?辰拭△箸いΠ嫐?任靴腓ΑC韻覆覦Щ△箸?△△氾┐鮠里┐覬冤催?な?箸?世Δ里犬磴覆?董

と、ここから考えると、単純小選挙制は当分続くと思われますし、人々も遠慮なく、昨日保守党に投票したけど今日はNDPという、左右で頭がしばられている人には理解できないような投票行動をするものと思えます。

そうだ、連立政権になるのなら、の答えとしては、単純に是々非々で協力を取り付けるのはNDPになるでしょう。保守とでは政策で一致しないものが多いはずですから。*1)

また、マイノリティ政権は25年ぶりだそうで、近年は勝つ時は地滑り的だったと言えそうです。ここでもまた、人の投票行動が常に変化含みだと言えると思います。だから、ふと思えば、もしすべての投票用紙に名前が書いてあったら、前回のリベラル内実と今回の内実はかなり異なっているってのがあるんじゃないのかしら? 

1) 単純に議席数からいえば、3位はケベコワなんですが、得票率の方から見るとNDPの方が多い。また、保守/リベラル/NDPは全選挙区308に候補者を出している、つまりそれが全国相手の政党だという表明のような意味がどうもあるらしい、

それに対してケベコワは75だったかそんな数でそもそも自分たちもケベックの将来をまず第一にの政党なので、他に進出する気はない(らしい)。そういうわけでどこであってもケベコワがパートナーとは、まぁ是々非々ではありますが、連帯というわけにはいかんのじゃないかと思われます。

じゃあ、結局ケベックって何?と、私なんかは思うんだが、どうしてなのかこうなっているのでこうなっている。