さりげなく北朝鮮に行ってるカナダの大使

まだ12月になってないんだが、テレビはすでにサンタの話をしつつ、めーりーくりすます、なる声まであげちゃう。それがなんだというんだよ、と思いつつも、なんというか、クリスマスという名の冬至に近づくにつれ人々は正気を失う説を唱える私としては、毎年ほんとに確信を深めるようなことになり感慨に耐えない。あはは。


それはそうと、日本語の記事を探しても見当たらなかったので書いておく。あったのかもしれない。こっちが半日遅れているから私が探せてないだけかも、とかも思うが・・・。


カナダの南朝鮮への大使が、北朝鮮に行ってるらしい。16日にピョンヤンについて、少なくとも1週間滞在して北朝鮮で主に外交関係の当局者に会う予定だそうだ。

Canada's South Korean ambassador, Marius Grinius, arrived in North Korea on Nov. 16th to meet with counterparts in North Korea's foreign ministry. Canada later confirmed the news.

しかも、内緒というか、他の大きい国が知らないうちに、らしくて、ではなぜそれがわかったかといえば、南朝鮮が発表して、それを受けてカナダが認めた、という成り行き。

"We've dispatched our ambassador to Pyongyang to deliver a frank message to the North Koreans to ask them to ask them to cease and to give up their nuclear weapons program and to return to the six-party talks."

http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20061118.wkorea1118/BNStory/National/home


うちの大使をピョンヤンに送って、北朝鮮の人、核プログラムをあきらめて六カ国協議に戻ってくださいよとフランクなメッセージを伝えるのよ、とハーパー首相の側近がコメントしていて、このコメントはさっきテレビでもおんなじところを聞いた。


とりあえず、カナダの試みは北朝鮮を六カ国協議に戻すための他の国の取り組みとは独立したものだとカナダ政府は発表している模様。また、この大使はSouthへの大使ではあるけど、そもそも北への公私も兼ねるものだったらしい。が、現在は北との関係は中断しているので実質的には南だけの大使だったという立場の模様。テレビで見た限りでは、淡くおじさん、でも深刻におじさんでもなく、丈夫におじさん、つまり壮年期働きざかり風だった。本筋とは関係ないだろうが。


で、日本の外務省のスポークスマンさんは、知らなかったけど、いずれにしろこれは私たちにとって良い知らせです、と述べている。ここの部分はテレビでも見た。こちらは、深刻に、しかし謙虚そうなおさーんだった。


どういうことなんでしょう? というか、何をするつもり、または、何をするつもりだったのカナダ、というのがよくわからない。もともと、国連主導の圧力には自分たちも賛成だというスタンスだったので軌道としては不思議もないが・・・・。


そしてこれが南の朝鮮から漏れて出た、という意味は何なのだろう? わからない。わからないが、とりあえず今日の現地夕方のニュースでは何度も流れていたこともメモしておこう。


ブッシュが南の協力を取り付けられなかった、カナダにちょっとなんかしてよとなった、それに気がついた南が公表した、ということか、などとも考えられるが、しかしそれだとしても何をするつもりなのかはやっぱり不明。1週間って何よ、でもある。


[捕捉1]

googleしたけど、このへんが、「カナダ 北朝鮮」@日本語の最新だから、やっぱりないかも。

北朝鮮非難の人権決議、国連委が採択
日本経済新聞 - 23時間前<<<-------現地の現在時間午後8時=日本時間19日午前10時、つまり日経の記事は18日土曜日午前11時、という勘定か。


北朝鮮非難の人権決議、国連委が採択
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061118AT2M1800818112006.html

韓国は「国際社会と北朝鮮との人権を巡る対話促進につながる」と方針転換の理由を説明、北朝鮮に国連の人権問題調査団の受け入れを促した。決議案は欧州連合(EU)諸国や日本、米国、カナダなど最終的に52カ国が共同提案国となった。


[捕捉2]
South Korea tells Bush it won't intercept North's ships
Bush can't persuade South Korea on that nonproliferation tactic.
By James Gerstenzang, Times Staff Writer
November 18, 2006
http://www.latimes.com/news/printedition/asection/la-fg-bush18nov18,1,23320.story?coll=la-news-a_section


南のコリアがやんないよと言ったship inspectionの件なのかな、という気はやはりする。というかそうなることもあるわけですよ、とまずは語り、さらにそれが駄目ならという手順で、と・・・。

チャイナ系のメディアは、カナダ政府はアメリカにやれって言われてやってるというのを拒否していると書いていた。たとえそうでもそう言うだろう、ではあるが。


船といえば、3週間ぐらい前だったか、国連での制裁案でもめていた頃に、カナダのメディア(G&M)で、妙な記事があったのを思い出す。匿名のgeneralという人が語っているという記事だったのだが、カナダには船がないんですよ、1隻はアフガン、1隻はドックに入ってる、1隻はハリファックス(大西洋岸)、これしかないから困った、と。その時点でカナダが出張る必要ってあるの? なにを考えているのこれは、しかし奇妙だ、など思って読んだ記憶がある。なんらかの示唆だったのか? ま、いずれにしても、週があければ何か新しい話が出るのかもしれないし、カナダといういわばマイナーな国の動きは表面に出ないから効いているという展開もあるかもしれないので、ウォッチだわ、などと思う。


[捕捉3]
【核開発】駐韓カナダ大使が18日から訪朝 (11/20 06:50 朝鮮)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/11/20/20061120000001.html
韓国駐在のカナダ大使が、核の放棄と6カ国協議への復帰を求めるメッセージを伝えるために北朝鮮を訪
問中であることが分かった。

[4]

カナダ、核問題で北朝鮮に特使を派遣=韓国政府
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061119-00000701-reu-int
(ロイター) - 11月19日13時27分更新

 ブルカとスカーフは違う


オランダ、イスラム女性の「ブルカ」禁止へ
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20061119AT2M1801318112006.html


他に選択肢があるとは思えないので、こうなりそうなことがなったという話かと思う。私は賛成。


で、まさか理解していないで書いてはいないと思うが、日経さん。書き方が多少へん、誤解を招きかねない。

 オランダ政府は17日、イスラム教徒の女性が顔や体などを覆う「ブルカ」などを公共の場で着用することを禁止する方針を決めた。欧州ではフランスが公立学校でのスカーフ着用の禁止を定めているが、国レベルでブルカなどの着用を全面禁止するのは初めて。


スカーフとブルカはまったく話が別です。スカーフは頭にかぶるもの、ブルカは顔がすっぽり隠れてしまうもの。


こういうやつ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AB


顔をフルフェースのマスクで隠した見知らぬ他人に仲良くしましょうと言われても困るのと同じように、いくらそれが伝統衣装でも都市で不特定多数の人が行き会って暮らすにはこれはおよそ不向きな装備だ。だからこそ、公共の場での着用はせめてやめましょうよ、という話。


前にも書いたけど、道端ですれ違っても違和感があったけど、美術館を歩いていて、ふと目の前に顔から足元まですっぽりの服装の人2人に出くわした時、私は、これはいかんと真面目に思った。実際心情的には怖かった。なんせその人がどういう表情をしているのかがまったく見えない。ぶつかりそうになっても、ごめんなさいね、という感情で向かえないし、冷静に考えればそれは多分女性だったんだろうが、男性がかぶっててもわからないと言えばわからないわけで、疑念を抱くのが失礼だという見解も理解するが、その疑念は別の場合には自分を守るために役立つ疑念だからまったく棄てるというのもどうかと思う。一方的にこちらは無防備にされるのはかなわない。


そういうわけで、ま、たいていの、現実にこれらのフルフェース型のものを着用する人と一緒に暮らす必要がある人は、こうした法案に対して賛成なのじゃないかと思う。


しかし着用したいという人を無理に脱がせるのもなんなわけではある。しかし、あんまり都市向き装備でないことも事実。というところからの苦肉の策なのか、本当に問題になっているのかどうかは知らないが、カナダで見たニュースでは、アフガニスタンでは、これらすっぽり型の衣装のために、日照が欠乏、ビタミンDを摂取できず骨がもろくなったりといった健康被害に注目されています、というアプローチがなされていた。

すっぽり型は二重になっているものなどがあり、太陽光をかなり遮断してしまうんだそうだ。で、それらのビタミンは食物によっても摂取できるが、そういう気配りまたはお金がない場合はどうするんだ、と。やっぱり太陽に当たらないのは問題だ、という話だった。


確かに説としては理解できるし納得もするが、だけどこれを統計的にプルーフするにはさらに長い年月がかかりそうだなぁなどとも思ったし、そもそもそれ以外の栄養は足りているのか、さらにその前に、人はみな健康であることが第一の目的だ、というのはある種カナダ人の屈強で頑丈な思い込みじゃないかという気は多少する。自分らしく適宜不健康だろうがそれでいい、という選択肢を公言することはこの国ではかなり難しい。(そういう人は、あきらめてる、最悪の場合はなんらかの意味で落伍者みたいに思われかねない。)


やっぱり、一緒に生活するために駄目なものはあります、と正面から相手を説得する方向性の方が長い目で見れば説得的だし、むしろほどほどに他人の価値観を尊重しあうことにも繋がると思う

(反対例:国家をあげての健康アプローチ、難しいところだが巷間言われるいわゆる禁煙ファシズムもそうだろう)