見えないコスト

偽札問題の処理をしなきゃしなきゃと思いつつなんだか小忙しくて到達できない情けない私です。体験談をコメントしていただいて大変参考になりました。ありがとうございました。


と、その間にしかしながら、またへんなことが起こった。郵便物がどうやら紛失しているっぽい。少なくとも、一度届きましたの通知をもらって以来かれこれ6日行方不明。


25日に小荷物が届いてますよの通知がポストに入っていたので指定の郵便局出張所に行ったところ、まだ配送したドライバーから荷物が戻ってきてないんだとのことで、これはなるほどと帰ってきた。翌日金曜日再度行くと、まだだという。それってへんでしょ?と私は言うのだったが、郵便局出張所(大きなスーパーなどにあって夜間まで開いているので便利)のおにいちゃんは、こういうことってある、月曜日に来てという。


納得できないものはあるが、まぁドライバーの人の手違いとか(別の出張所とか郵便局に持っていったとか)そういうことはあるだろうと引き下がる。


月曜日に行く。すると、まだない。これってなんでよと若干気色ばんでどうなっているのかというと、出張所のおねぇちゃんは、私たちは4、5通のメールを待っているんだという。何を言っているんだ?と、何を言われているのか理解できずに聞き返すと、私たちは4、5通のメールを待っているんだとまたいう。要するに、私たちだって待ってるのよ、あなただけじゃないのよ、ということらしい。しかし、それって正しい言い訳なのか?


正しいなどと思えるわけもなく、で、あなたたちは何をしてるのかといったら、私たちは待ってるといった。私はたまげた。すると、おねぇちゃんは、今度来るときには、届いてるかどうかここに電話番号があるでしょ、ここに電話をかけてから来てねという。そういう問題なのか? 


翌日、すなわちさっきなのだが、また行った。用事のついでに立ち寄れる場所なのでわざわざ行っているわけではない。すると、昨日のおねぇちゃんが、あああなたね、私あなたを覚えてるわよ、と、まるで私を苦情言いのおばさんのように扱う。なんでだよと腹が立つが、ひょっとして荷物はあるのかなと思った私は馬鹿だったわけで、また、ない。ないどろころか、彼女は後ろの方で別の女性とごしょごしょ話して、その後で、They should know、つまり、ここが知ってるはずだわ、と、電話番号をくれた。


なんだ??? 私は切れた。切れたがこういう場合にわめくことはできない私の性とでもいうのか、しかし黙っていることもできないのも私の性なので、then, what's your job? それであんたの仕事はなんだ、と実に憎憎しげな顔で言った。自分でそう思う。


帰ってきて電話をかけたが、応答なし。間違った番号だったのかそれともたまたまなのかわからないので明日とりあえずトライしよう。


まったく本当に疲れた。どうして郵便で届く荷物を探すのが私の仕事なのかまったく理解できないのだが、自分のものは自分で探さないとならないらしい。


で、仕方なくカナダ・ポスト(郵便局)のサイトを開けて何かヒントはないものかと思ったが、ない。代わりに、紛失、損傷に対する請求の仕方がでかでかと出ているのを見つけた。要するにこれがあるからいいじゃん、ってことなのか。


しかし、多分これは特殊メール(書留とか、その他の業者便の郵便局版とか)じゃないと該当しないかもしれないなとちょっと危惧。


明日からの対処としては大きめの郵便局、いわゆる本局にいって事情を話してみて埒が明かない場合はもはや紛失物としての処遇はどうなのかをたずねるしかあるまい。しかし、上に書いた通り、通常の小包だから期待は薄いような気はする。ただの損になるのか。


いやしかし、その前に、この荷物の中身というのは、ほぼ間違いなく(通常小包だから送付人の名は記録されていない)アメリカのサイトから買ったコントラクトレンズなので、必要だから買ったわけで、なくなったから気長に損害を賠償してくれと騒げばいいというものではない。現実的には、この荷物の行方がどうあれ早急に買わないとだ。今度は、郵便局じゃなくて宅配便にして買うか、トロントのどこかで買う。


トロントで、といえ、実際にはトロントの店屋も大量に在庫を置いているなんてことはなくてどこかに発注して売っているのですぐには手元に届かないことも多い。つまり、ローカルの意味はまったくない。東京はおろかたいていの地方中核都市にいけばなんでもそろう日本とはまったく違う。だからこそ、適当にインターネットで買いたくなるのだ。


反省点としては、郵便にしないで、業者便の指定にすればよかったというのがまず第一点。これがもったいないと思ったばかりにこの騒ぎになる。


前々から、カナダおよびアメリカでは、一見システムが整っているように見えても、何かことが起こったら最後、ほぼ期待できない結果となる、少なくとも解決するまでに何回か非常に腹を立てることにんる、というのは身にしみているので、仕事に関係するものは、何千円か負担が増えても、FedexとかUPSを使っていた。経験からいえるのは彼らは、自分たちの仕事は荷物をちゃんと運ぶことだと知っている。(とはいえ、トロントでの荷受は、1回デリバリーをミスすると、自分で最寄の広大な集荷場所みたいなところにとりに行かないとならないという、すばらしいシステムを採用している業者もある。) 


もし届かなかった場合には、なんにせコンタクトレンズ屋さんにお願いして、カナダポストに対して賠償の申し立てをしてもらうしかないのかな。だって、荷物の持ち主はこの時点ではシッパーさんであって、私ではないだろうから。私がお金を払っているんだが名義人は違うだろう。このあたり、どうなんだろう。あああ、面倒だ。

トロント交通機関のスト

個人的なトラブルで疲れている私だが、昨日月曜日は全市をあげて疲労させられていた。突然のスト。トロントのメインの交通機関がいわゆる山猫ストとかいう、合法的だとは認められないストを行った。


Walkout strands 800,000 commuters in Toronto
http://www.chicagotribune.com/news/nationworld/chi-0605300182may30,1,5460133.story?coll=chi-newsnationworld-hed&ctrack=1&cset=true


TTCという交通機関は、地下鉄、ストリートカー(路面電車)、バスをカバーしているのでこれがとまったら、みなさん会社にも学校にも行けない。北米は車社会だというのはトロントでもまったくその通りだが、ダウンタウン地域への往復は大きく公共交通機関に依存している。で、その機関が出し抜けにスト。ある朝突然にスト。


しかも、よりによって昨日は気温30度と、今年一番の高温となり、街はもやっているし、暑いし湿度は高いはで人々の頭は沸騰しないわけにはいかなった。


ストの理由は、伝えられているところでは修理、保安関係のワーカーのユニオンが、夜間シフトになったことを不服としてということらしいが、ちょっとそれぐらいのことでこれはないのではないのかと思えるので、これは私の情報収集が足らないせいだろうと思う。


上の郵便局の話と無理やりつなげることはよろしくないし、正当でもないのだが、なにかしら、関係るものがなくはないなと個人的には思っている。公共サービス関係が、これでもかと、おかしいのだから。これ以外にも、病院もへん、電話関係もどうかと思うような対応が目につく(実際、昨年の夏には私もへとへとになる事件があった)。



なにはともあれトロント生活の見えない社会コストがあがってるなぁと思う今日この頃(見える社会コストとしての税金は常に高いわけだが)。



関係があるのかないのかわからないが、ふと思い出したことをひとつメモしておく。
何ヶ月か前、半年ぐらい前だったか、オンタリオ州の議会の模様を聞くともなく聞いていたときのこと。保守党の議員が、州政府の厚生大臣に病院での待ち時間が長大であることについて質疑を行っていた。すると大臣は、今現在私たちは一生懸命やってる、で、たとえばインターネットのサイトがあってそこに行くと、どのぐらいの待ち時間かすぐによくわかる、これは便利です、すばらしいですと真顔で答える。すると質問者は、大臣、患者が必要なのは医者であり看護婦です、待ち時間がわかるインターネットのサイトがあることじゃないんです、わかりますか、と怒りというより嘲笑に満ち満ちた顔で言った。


笑ってしまう話ではあるのだが、ひょっとしたらトロントまたはオンタリオが陥っている問題をよく突いているエピソードだったかもしれないといえるかもしれない。つまり、本当に必要な対策の代わりに、苦情の対策をすることにマジになって、それでやれたと錯覚してしまう人が大事なポストにいるようだ、ということ。ある意味で、官僚主義的社会システムの限界なのではないのかとも見える。