不法移民問題

偽札をどうしたものか、は未だペンディング。忙しかった。いかんよなぁ。こういうの。
とはいえ、偽札を所持しつつ思ったのだが、あのこれ偽札なんですけど、って私が持っていったら私が疑われたりするのかな? わからん。でも、所持しているだけで気分が悪いことは確かだ。貴重な体験か。


それはそれとして、なんだかよくわからない記事を読んだ。



訴訟:横浜の韓国籍親子、在留資格を求め国を提訴 /神奈川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kanagawa/news/20060526ddlk14040248000c.html



在留資格のない、つまり不法に滞在している人が、その措置に対して不服だと申し立てているのだそうだ。

私にはこの構造自体が解せない。不法に滞在している人というのはその地の管轄に属していないんだから、どうしてそれでその管轄に対して訴訟を起こすことができるの?


例えば私は現在、永住権を取得してカナダに在住しているわけだが、もしこれが普通の観光で入ってきて(日本の場合はビザはいらない)、3か月が経って、でももっとここに住みたい、私には実はここで恋人が出来たのだ、なんていう事態がついたらもっといいか、とにかく、行為の主体者は相応の事情を持ってここに住わせてほしいと願うとする。


その場合取るべき道は一つしかないわけで、「永住権申請してください」で終わりじゃまいか?
申請しても約2年かかります、さらに審査料金が5万円ほど、さらにさらに許可となったら上陸費用として10万円ほどかかります。ついでにいえば、弁護士さんや相応のスペシャリストの知恵を借りることは有益ですが、当然それはすべて有料です。がんばってください、で終わりだろう。


ここで私が、その判定は納得できないと思ったとして、多分まず移民局に抗議ぐらいはできるかもしれないが、まず申請しろ、で終わりじゃまいか? で、その後に、申請が却下されたとして、却下の理由は、多分通りいっぺんのことが付されたレターぐらい来るのかな、よくわからないけど、とりあえずここにも抗議の宛先というのはないように思う。せいぜいが、もう一度申請してください、それははオープンです、ぐらいか。だってそもそも私が所属している国ではないし、私を住わせるか否かは一義的にカナダにあるから。不服だろうと、そういうものだし、逆には、一義的にカナダにその権利があるからこそ、カナダの側がなんらかの特例で恩赦とか(もっぱらアメリカのやり方)、難民認定(カナダに多いが、現在のところ見直すべきと批判されている)というのも成り立ち得るのわけだ。


在留資格がない韓国籍横浜市立中3年の女子生徒(14)と母親(46)が25日、2人の特別在留資格を求める異議申し出を却下した東京入国管理局横浜支局の裁決取り消しを求め、国を相手に横浜地裁に提訴した。

 訴えによると、飲食店従業員の母親と女子生徒は95年に来日。04年のビザ更新の際に在留資格がないことが分かったが、仮放免の許可を得て生活している。


前段階があるようなのだが、その「仮釈放」というのはなんだろうか。ただ拘留されるか帰国かしかないよ、の状態から、拘留はしないけど、ステータスに変更はないですよ、に変わったということか? 
入管もあんまり例外的なことをしない方がいいのじゃまいか。ややこしくなるだけだ。


いや、ややこしくなるという言い方は実に不正確なわけで、実際に起こっていることは、その他の申請者との間に、文字通りの「差別」を生じさせているということだ。


不法移民問題の本質は、私が思うに、合法的な処遇を求める人々を疲れさせることにあるかと思う。つまり、法と秩序を守れない世界にする気なのか、と考えてみても大げさではないだろうと思う。

(このところこの問題に対してシビアな傾向になっているのは、おそらくその落としどころに気付いてきたからではないのかと考えてみてもいいかもしれない。なんといっても法と秩序好きなカナダ人たちだから。好きすぎる場合もあるわけだがそれはまた別に。)



とはいえ、これはその、誰でも知っているであろうことをあえて書けば、「韓国籍」(または朝鮮籍も同じかもしれないが)の人だからこそこうやって問題にもなるのだろうと思って悪い理由はないのじゃまいか、とは思う。そうして、だからこそ、滞留資格がない人がどうのこうのという、もっちゃりした言い方で書き起こされ、決して、不法移民問題、illigal immigrantの問題とは書き起こされないのではないのかとの疑義を私は持つ。


この記事を書いた毎日新聞にしても(他の新聞もほぼ同様だと思うが)、アメリカで起こったこと、フランスで起こったことなら簡単に「移民問題」と書きおこし、不法移民が問題になっている、と書く。が、日本で起こったことについてはこの語を適用できないでいるのじゃまいか・・・。在留とか滞留資格という言い方でとめている、と。


しかしながら、事実これは、不法移民の問題である。にもかかわらずそうタイトルできないのは、日本には、言い方を変えるのならば、それを不法移民問題と呼ぶことさえできない程に、「ひっかかったもの」がある、ということだ。このひっかかりは、取り除かなければならないだろう。まずもって、不法移民を許すことは、実際には、合法的な解決法を求める人々への裏切りだ。上の例でいえば、恋人がいるから滞在したいの、という女子Aを、じゃあしょうがないと許したら、額面通りの申請を行った人(申請料も時間も多大にかかる)はただ馬鹿を見る。


そういえば、フランスの移民問題が語られた時分に、あるブログを呼んでいたら、日本人には移民問題というのはなじみがないですからね、と書いているプロの物書きの人がいた。何を言っているのだろうかと、私は呆気にとられた。上に書いた通り、それを移民問題だと認識できない構図に乗せられている人なのだろう。が、しかし、気づけよ、ではあるのだよ。

 文化大革命40周年記念と砂上の楼閣


溜池通信さんを読ませていただいたら、先週末発売のThe Economistの記事の話がでていた。

5月20日付けの日記。
http://tameike.net/comments.htm#new

文化大革命の馬鹿馬鹿しさは、大概の日本人はよく承知しています。面白いのは、この記事が「過去を直視できない中国共産党」を批判していて、「彼らが非難している日本よりもヒドイ」と言い切っていることです。


まさにその通りで、結構な「むごさ」で、おまえら何を言ってまんねん、の記事になっている。

Ignoring the past
http://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=6951123


この写真がなぁ。看板をぶらさげさせられて、パブリックに向かって「謝罪」だか「反省」だかをする、の図。公開処刑と一脈通じるものがある。
チャイナってこういう「謝罪」というのか、「反省」の仕方をさせるらしいわけだが、今さらながらに、おーいやだという感想しかでないし、こういうのが謝罪と反省なら、多分永遠に日本人はできないと言ってもいいかもしれないという解釈もあるだろうと思った。


とはいえ、記事としては大方の日本人にとっては、もう全然おもしろくないというか新しいものは特にない。でもって、それはごく一般的な人々にとっても同じなんじゃないのかなぁなど私は思う。チャイナから来てる人などは、来た当初と、大学なんかにいる中共ひも付きの人々をのぞけば(ヒモが付いてる限り、かもしれないが)、普通は、最初こそ肩肘を張ってはみるものの、だんだんに情報が開示されてくるにつれ、あれはへんだった、になっておしまいだ。


さらにいえば、前にも書いたけど、北米には旧東欧圏の人がごちゃごちゃいる。彼らにしてみれば、そんなことってありすぎるほどにあるだろう、わはは、らしいのだ。いつの間にか第二次世界大戦の戦死者が増えてたり、南京の人口もどうかと思うんだとかなんとかいくらか具体的に、冷静に私は話したいわけなのだが、これが意外にできない。なぜなら、「あんたコミュニストパーティーに何を期待してるんだ? 嘘を付くもんなんだよ、わはは」だそうだからだ。彼らにしてみれば、その時々で場当たり的に、我が方は偉大、とか言っている場合には、普通それは嘘だと思ってりゃいいぐらいの調子らしい。


ただし、旧東欧圏エリートは、ガチで資本主義は間違っている、帝国主義は害だ、というセオリーがあまりにも深く、そう殆どOS化しているからなのか、アメリカは間違っている論に組するあまりなのかなんなのか、対比的にチャイナについては口をつぐむ傾向が濃いかもしれない。


とりあえず、ヨーロッパだって、ソ連OSのエリートじゃない限り、中共政権に期待している人ってほとんどいないように思う。北米は東欧組の影響と共に、隠然としてあるコミュニストは敵論があるわけだから大勢として中共ストーリーをマジで受けとめる措置はあまりないかもしれない。ということは、それら中共ストーリー(またの名をプロパガンダ)をマジで受け止める人が人口比で高いであろうエリアとは、つまり、日本か、などと考えてもいいかもしれない。


そして、実際考えてみれば、日本をターゲットにすることでは、その苦労に見合うだけの「実入り」は期待できるわけだから中共ストーリーを開発、配布する意味は中共にはある。そしてそれを世界中に流布させることで日本をプレスする格好になっていた、と。


が、しかし、しかしながらの長良川、上に書いた通り、実際それって、とりあえずつきあっておく以上に信じられていた、いる、またはいるだろう形跡はないのだ。


そう考えてくると、このEconomistの記事などは、今知ったことを記事にしているというよりは、とりあえず書いて置く事によって、中共プロパガンダに与していないことを鮮明にしたという、ある意味で媒体のクォリティのためにやっているようなものではないのかとさえ言えるかもしれない。


迷惑し続けている日本人としての立場を度外視していうのなら、中共の弱さは、やっぱこう、レーニンがいないとでもいうのか、ソ連OSに匹敵するものを開発できなかったことだわね。ここでも、独自開発力に問題が残る。あはは。