文化大革命40周年記念と砂上の楼閣


溜池通信さんを読ませていただいたら、先週末発売のThe Economistの記事の話がでていた。

5月20日付けの日記。
http://tameike.net/comments.htm#new

文化大革命の馬鹿馬鹿しさは、大概の日本人はよく承知しています。面白いのは、この記事が「過去を直視できない中国共産党」を批判していて、「彼らが非難している日本よりもヒドイ」と言い切っていることです。


まさにその通りで、結構な「むごさ」で、おまえら何を言ってまんねん、の記事になっている。

Ignoring the past
http://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=6951123


この写真がなぁ。看板をぶらさげさせられて、パブリックに向かって「謝罪」だか「反省」だかをする、の図。公開処刑と一脈通じるものがある。
チャイナってこういう「謝罪」というのか、「反省」の仕方をさせるらしいわけだが、今さらながらに、おーいやだという感想しかでないし、こういうのが謝罪と反省なら、多分永遠に日本人はできないと言ってもいいかもしれないという解釈もあるだろうと思った。


とはいえ、記事としては大方の日本人にとっては、もう全然おもしろくないというか新しいものは特にない。でもって、それはごく一般的な人々にとっても同じなんじゃないのかなぁなど私は思う。チャイナから来てる人などは、来た当初と、大学なんかにいる中共ひも付きの人々をのぞけば(ヒモが付いてる限り、かもしれないが)、普通は、最初こそ肩肘を張ってはみるものの、だんだんに情報が開示されてくるにつれ、あれはへんだった、になっておしまいだ。


さらにいえば、前にも書いたけど、北米には旧東欧圏の人がごちゃごちゃいる。彼らにしてみれば、そんなことってありすぎるほどにあるだろう、わはは、らしいのだ。いつの間にか第二次世界大戦の戦死者が増えてたり、南京の人口もどうかと思うんだとかなんとかいくらか具体的に、冷静に私は話したいわけなのだが、これが意外にできない。なぜなら、「あんたコミュニストパーティーに何を期待してるんだ? 嘘を付くもんなんだよ、わはは」だそうだからだ。彼らにしてみれば、その時々で場当たり的に、我が方は偉大、とか言っている場合には、普通それは嘘だと思ってりゃいいぐらいの調子らしい。


ただし、旧東欧圏エリートは、ガチで資本主義は間違っている、帝国主義は害だ、というセオリーがあまりにも深く、そう殆どOS化しているからなのか、アメリカは間違っている論に組するあまりなのかなんなのか、対比的にチャイナについては口をつぐむ傾向が濃いかもしれない。


とりあえず、ヨーロッパだって、ソ連OSのエリートじゃない限り、中共政権に期待している人ってほとんどいないように思う。北米は東欧組の影響と共に、隠然としてあるコミュニストは敵論があるわけだから大勢として中共ストーリーをマジで受けとめる措置はあまりないかもしれない。ということは、それら中共ストーリー(またの名をプロパガンダ)をマジで受け止める人が人口比で高いであろうエリアとは、つまり、日本か、などと考えてもいいかもしれない。


そして、実際考えてみれば、日本をターゲットにすることでは、その苦労に見合うだけの「実入り」は期待できるわけだから中共ストーリーを開発、配布する意味は中共にはある。そしてそれを世界中に流布させることで日本をプレスする格好になっていた、と。


が、しかし、しかしながらの長良川、上に書いた通り、実際それって、とりあえずつきあっておく以上に信じられていた、いる、またはいるだろう形跡はないのだ。


そう考えてくると、このEconomistの記事などは、今知ったことを記事にしているというよりは、とりあえず書いて置く事によって、中共プロパガンダに与していないことを鮮明にしたという、ある意味で媒体のクォリティのためにやっているようなものではないのかとさえ言えるかもしれない。


迷惑し続けている日本人としての立場を度外視していうのなら、中共の弱さは、やっぱこう、レーニンがいないとでもいうのか、ソ連OSに匹敵するものを開発できなかったことだわね。ここでも、独自開発力に問題が残る。あはは。