カナダ今日このごろ


そのうち調べて書こうと思っているうちについに何週間かたった。しかしその出来事は実はもっと長く続いていたし、さらに続く見込み。


カナダの事実上の国営放送であるCBCは1か月以上、ロックアウトにより半休業状態にある。5500人のアナウンサーやらキャスター、ジャーナリスト、技術者がみんなしてこぞってほぼ1か月彼らの闘争を続けている(8月15日に始まっていた)。


今日現在もまだ話し合いの最中。
http://cbcnegotiations.ca/scripts/index_.asp
CBCの交渉経過を伝えるサイト)

http://www.cmg.ca/homepageEN.asp
(もう一方の当事者Canadian Media Guild (CMG)のサイト)

中心となる案件は、CBC経営陣が、パーマネントの雇用者(つまり正社員)ではなくテンポラリーとか契約という条件の体制に変えようとしているのに対して、CMGが反対している。


どうなるって、どちらにどう大義があろうとも、人々はただ、別にCBCがなくてもいいんだなという状態になれていくだけではあるだろう。だから、もういい加減にしたほうがいいんじゃないのかとだんだん外野(内野かもしれないが)が騒がしくなってきた。さすがに5週間は長い。この間ハリケーンもあった、殺人も行方不明事件もあった、チャイナの大将もやってきた。CBCの放送はニュースからは、詳しい報道が売り物だった番組は消え、イギリスBBCがカバーしていた。その他はありもので繋いでいる様子(ずっとチェックしているわけじゃないが)。


もとよりここでは普通にアメリカのテレビが見られる。三大ネットワークはケーブルテレビの最も小さなパッケージにもれなく入っている。そして、ローカル局は通常通り機能しているし、ケーブル局もよりローカルに善戦していて実際面白い。となると、CBCってなんだっけか?となっていく可能性は大きい。そもそもそうだったところに、それ以上に。

なくなっては困ると言っているのは、後述する人々をのぞけば、ホッケーファンか。ホッケーの試合は、他にどんな事件があろうとも優先的に放送されている(私は熱心なホッケーファンではないので、いつも絶対そうなのかどうか確証はないんだが)。


そういうわけで、こんな皮肉を言い出す上院議員も登場。
この人は、名高い(ほとんどの場合悪名高いという意味だが)、ブライアン・マルルーニ元首相と仲良しらしいというポジションがまず大事なのだが、この人がオタワの新聞に寄稿したものによれば、CBCはリベラル、NDP(ニュー・デモクラッツ)に偏ってる、そして、世論調査によれば、CBCを見られなくてもっとも残念に思っているのはこの2つの党の支持者だ、彼等は応援団を失っているのよ、だったらこのロックアウトはもっと続けばいいのよ、そうすれば今後ある見込みの総選挙にも影響してくるわね、ってことらしい。

Senator wants CBC lockout to linger
http://www.canada.com/national/nationalpost/news/story.html?id=196372cf-0743-4a81-ad22-de3ceb7ba164


CBCがそこまで影響力があるとは私自身は思わないのだが(私はかなりCBCが好きだ。教育テレビみたいで ; ;))、それよりもこの事態そのものが、CBCにとって、そして左から順番にNDP、リベラル左派にとって今後深刻ではないのかとは思う。モラル的にサポートされないだろう、ここまで長引いたら。ほとんど浮き世はなれしてるとさえ言える。


と、これは私の、ある種の根拠レスの陰謀論だが、これってCBCのユニオン(つまりCMG)が、オフサイドトラップにひっかかったのじゃないのか?。CBCの経営陣が、今年前半に半数以上入れ替わっているようだし。