今だチャンスだ言質を取れ!

靖国参拝 総裁候補は考えを語れ
http://www.asahi.com/paper/editorial20060725.html

首相の靖国神社参拝に対する視線が変わってきた。


よーし今だ、小泉はともかく、次の首相の「言質」を取れ!


の大号令がかかっているんざんすね。朝日というか、浅い新聞だなしかし。つか、私たちってどうして自分の国の新聞で別の国の人の利害と闘わないとならないの? というのは常にはなはだしく疑問だがもはやなれてしまったのでここは不問に付す。人間は何にでも慣れる。

 これまでの世論調査では、賛否が拮抗(きっこう)するか、賛成が反対を上回ることが多かった。いまの世論は明確に参拝反対に傾いている。

 その理由はさまざまだろうが、昭和天皇A級戦犯靖国神社合祀(ごうし)に不快感を抱いていたことを示す側近のメモが明らかになったことが大きい。

 今回の朝日新聞の調査は、これが報じられた後に行われた。参拝の是非をめぐる判断でメモを重視したかどうかを尋ねると、63%が重視したと答えた。

 A級戦犯が合祀された1978年以降、昭和天皇靖国神社への参拝を取りやめた。その理由について、メモは合祀が問題だったことをはっきりさせた。それで民意がこれだけ変化したのだから、この発見の衝撃度が分かる。


さあメモだ、考えさせる前に調査を取れ、急げ!
で、どんな調査だろうが調査は調査、嘘はない。大丈夫だ、で、筋書きに調査を埋め込んで発表しちゃったというわけですね。
天皇の好悪になぜだかみんなで従わないとならない国こそ、朝日の批判の対象ではなかったのか、などというのはこの際どうでもいい。まずは言質だ!と。


で、ではなぜそうなるのかといえば、もう非常に多くの人が知っているからどうでもいいことでもあるんだが、直近では、靖国が懸案だから特亜勢力は日本とは協力できません(会談できない)という事態がある。これは朝日が蒔いた種を食べて食中毒になったようなものかもしれないわけだが、そんな因果はどうでもいい(この人たちって因果関係を恣意的に操作することに慣れているからなのか、自分のリーゾニングもすぐ捨てる)。問題は今だ、ということになっている。

したがって、ここでの予定原稿の骨子は、


日本ではやっぱり靖国に首相が参拝するのは間違ってるという国民的合意ができあがり(資料1使用:実はメモの直後に取ったものだが、意味的に同じだと判断して使用する)、次期首相候補は揃って参拝を否定した。


これさえ取れれば当面OK。
で、純ちゃんだが、こうなったらもし彼が参拝した場合は、かねてから言われていた通り小泉首相は参拝を決行した、と書いたとしても、「インパクト」は半減する。そもそも止める人だからもう会談はない。


さて、ではその「インパクト」とはどういうものかといえば、たとえば、今週のEconomistが面白がって書いている調子でいえば、日本が、assertive な時はそりゃassertiveだわな、という世界的な認知だろう。で、面白がられているのは、このタイトルが、Assertiveness training、つまり、訳しにくいが、肯定的になる訓練、主張するトレーニング、なんなら頑固訓練、仕方がないからまとまると、引かない訓練、とかそういう感じか。


今まで主導するというより付いて行くのをもっぱらとしていた日本の外交官たちが主導しちゃう。言い張ってきかない。日本は処女を喪失した、とか言ってる人もいるらしい。わ、わたしらの国ってば、日本軍最強伝説の国なんですがぁとか笑ってしまうものもある。


Jul 20th 2006 | TOKYO AND BEIJING
From The Economist print edition

Japanese diplomacy

Assertiveness training
Hardball, for a change
http://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=E1_STJRRRP


本筋とは関係ないが、きっとどこかで、日本は再び独善的になると世界の主要紙で批判されている、とか書く人または雑誌、新聞があるだろうと想像する。つか、楽しみに待ってる。見たら教えてね!


で、私の知る限り、assertive はそれ自体として悪い意味などない(が、これはイギリス人の皮肉だ、という解説もキボンヌ)。


でので、この「インパクト」はどういうconsequencesをもたらす可能性があるかといえば、「背中の刃物」の無効化か。

なぜですか、と、処女を捨てた担当者が陽の当たるところで尋ねることによって、よろずのことは、精査の上検討する議題となる展開が見込まれる。どうしてだか知らないが、すべからく投棄された不審のものは手前どもで処分させていただきますと言っては肝臓に障害を引き起こすなどといった仕儀とはならなくなる可能性が高くなる。


この算段からすれば、リーゾニングを捨てることなど、多分安いと踏んでいるのだろう。なんかこう、マーガリンだなぁなど思う。

 予想外の読み?


毎日の英文版を読んでしまった。で、このメモ話を、私たちが予想もしないような理解で読んでいる人がいそうだなぁ、世界には、と思った。メモしておく。


メモが、天皇がクラスAの戦犯を合祀したことを快く思っていなかったことを明らかにした、と、この記事は断定している。

で、事情を伝えるパラグラフにはこんなことが書いてある。

Emperor Showa visited Yasukuni Shrine eight times during the postwar period. He paid his last visit to the Shinto shrine in November 1975. The decision to enshrine Class-A war criminals was made in 1978.


天皇靖国神社を戦後に8回訪問している。
最後の訪問は1975年11月だ。
戦犯が合祀される決定は1978年だ。


この3年ってなんですか?と普通に疑問に思うだろうが、そのフォローはない(というか、日本版だってないだろう)。


と、私が日本人じゃなくてただこの記事を読んだら、3年の間に何があったんだろうなぁとか、もめてたのかなとか、天皇が行かないと言い張っていたのかなぁ3年、とかいろいろ思うだろう。また、こうも思うかもしれない。

本当はなんだかわからないけど、とにかく小泉なるあの首相がwar shrineに行くといって物議をかもしているらしい。で、天皇はそれとは関係ないのだといいたいのか、日本人は、と。つまり、天皇をかばってる記事にも読めると思った。


つか、蓋を開ければ、かばうどころか、天皇のオフレコまで読め、それが正しいあり方だと大新聞が息巻いているわけで、ある意味で、究極の右傾化、つか、戦前回帰が行われているとさえ言える。


ひょっとして、この脈絡を付けるための、朝日の遠いマッチポンプじゃないだろうね? オオニシに注目しよう。