一寸先は闇か光か

世の中というのはわからない。たった5分、いやきっと10秒といってもいいだろう。それが待てないばっかりにすべてを台無しにするということが世の中にはあるのね。ジダン。頭突きはいかんだろう、頭突きは。

テレビの前でひっくり返りそうになった私としては、その後しばらく事態を想像把握できないほど頭の中が真っ白になったのだが、次の瞬間からブーイングに入った観客(フランス側ってこと?)って、ある意味しっかりしてるよなぁと妙なことに感心した。

 年を取る


上のエントリーのついでに、約5分間ほど別のエントリーも書いたが取り消した。


独メディア、ジダンを批判 「名選手とは思えない行為」

http://www2.asahi.com/wcup2006/news/TKY200607100086.html


この記事を読んで、あれ、でもドイツ人も決勝戦で退場者を出してなかったか?と思ったから。で、そうなら、ドイツ人どの口でそんなこと言う、になっちゃうじゃんと心配した(余計なお世話だが)。で、自分の記憶がでもあまりにも怪しいのでFIFAのHpで確認。間違っていた。


1990年の決勝戦、西ドイツvsアルゼンチンでは、退場まではなかった。警告はあった。フェラーだ。いやしかし、ツバ吐いて退場になってなかったけか?となおも、ツバと退場の記憶があったのでみまわると、それは決勝トーナメント1回戦のオランダ戦だった。ライカールドとツバを吐き合って二人して退場になった。そうだ。そういうことだったと納得。あれを決勝のようなつもりで見ていたりしたのか、私、という疑いも一応ある。事実、確か(さらに怪しいこの記憶)、決勝はつまらんものだったような・・・。


いや、それはともかく、ではそのフェーラーはどうしているんだろう、今と思ってサーチしたら、最近の写真があった。年取った。とてもツバ吐きそうにない。しかし、名高い?ツバ吐き事件は記録されていた。

Völler was capped 90 times for the national team, scoring 47 goals, including 8 in World Cup finals matches. He was a member of the team that won the 1990 World Cup. During the second-round game against Holland, Völler and Dutch player Frank Rijkaard were sent off the field after spitting on each other (Rijkaard began spitting first and continued as the players were leaving the pitch).


で、このページに年とって、普通の人に見える写真があるのだが、往年のフェーラーはかなり狂人顔(失礼な)だったという記憶のある私としては、いわゆるひとつの、隔世の感なるものを感じた。


ジダンも要するに概算でいえばこうなるわけで(さらにハイパー過激なキャラにならないとは限らないが)、今日と明日と、多分向こう何週間かは大変だと思うが、ま、そういうことだよと、頼まれもしないのにエールを送りたいような気がしてる。

 TBS誤訳事件というリマインダー


TBS誤報の件、なんとなく2チャンネルで読んで知っていたのだが、TBSをたたいても仕方がない(得るものないじゃん、だって)のに、へんに問題化したらへんな方向に行ったらどうしようなど思って少し気がかりだった。で、大石氏が言及されていたので、私も少し考えてみた。以下、大石さんのサイトから、いろいろお借りします。


http://eiji.txt-nifty.com/diary/2006/07/post_28a8.html


これが原文の聞き取り結果(みなさんの努力の結果)。

"I don't feel uh strongly that that the Prime Minister uh shouldn't uh visit the shrine, it's just that I would like to bring to his attention the sensitivity of Americans uh that are involved in the recognizing uh World War Ⅱ combat circumstances."

TBSの訳:
「私は日本の首相が靖国神社に行くべきでないと強く思っています。私が小泉首相に配慮してほしいと思うのは第2次世界大戦に参戦したアメリカ人の感情についてです」


TBSのテロップの写真はここ。
http://blog66.fc2.com/t/tuch/file/img20060702064651.jpg


で、
前半の、もっちゃりを、「靖国神社に行くべきではないと強く思ってます」とTBSは字幕を入れているという点は、意図かどうかはともかく間違いといっていいと思うけど、後半は、でもってこっちの方がとても重要なメッセージではないかと私は思うし、以下の理由から、間違いとは言わないかな、とも思う。そういうわけでこのエントリーを書いている。


私なりに、このハイド上院議員というおじいさんに近いおじさん、いや逆か、とりあえず年配の男性が語ったところを思考の流れにそって従ってみると、


靖国ですかぁ・・・え〜首相が行くべきではないなんてことは思ってないわけですが、ただ、彼(小泉さん)には気づいてほしいこともあるわけです、アメリカ人の感情ですね、第二次世界大戦で戦闘状態にあったという状況をまざまざと覚えている人ってのがいるわけです、そのへんに気づいていてはほしいんです。


と、こういう具合じゃないかと思う。で、後半の意味というか懸念は、パラフレーズすれば、日本人だろうがアメリカ人だろうが、自分の国のために命をかけて闘った人をないがしろにするわけにはいかない、そうならないようにしないとならないんだが大丈夫かなぁという感じじゃないのか。


つまり、私たちは靖国というと中国、韓国のことに頭が入ってしまって、実際現在のバトルの焦点は実際ここにあるわけだけど、とりあえず、日米の戦争というのもあるわけで、というか、敗戦に関していえばこれこそ日本にとっての主戦なわけだ。そうするとアメリカ人にしてみれば、日本が過去の戦争を正しいことだったと言い出すというのは(またはそう聞こえてくるということは、でも効果は同じ)、相応に、当然に、心情的、感情的に、何をこのぉ、になることはなる。頭の中では昔のことだと言ったって、いろいろあったんだと言ったって、この感情に是非はないでしょう。どれだけ、お宅のことじゃないんだとかいろいろ言ってみても。だからこそ、戦闘があった、World War II combat circumstancesと、多分頭の中でいろいろ想起しながら言ってるんじゃないでしょうか。


だからといって別に、日本が悪かったといつまでも思え、俺たちはずっと正しいんだ、戦犯をなんだと思ってるんだぁ、とかとか言いたいわけでないことは、むしろこの上院議員のもっちゃりした、よく考えながら話している言い方の中にあると言っていいかとも思う。


ただ、中国、韓国への直接的な反論にだけ目が言って、その言辞や行動が導いてしまう可能性のある帰結、成り行きを考えないような行動を取らないでくれ、まとまるものもまとまらなくなる、ということじゃないかと思う。過去を上手に振り返らないと、今現在の仲まで壊してしまうかもしれませんよ、それは正邪では裁けませんよ、と。


百万歩譲って(玄倉川さんにおこられるかもしれませんが;;))、この上院議員が日本を嫌っている派だとしても(TBSが使うから;;))、この発言は、私たちにとって、とてもありがたいシグナルじゃないかと私は思う。気づいているべき点を示唆してくれた、アシスト1でしょうか、と。


で、結果論としていえば、このへんの懸念は我が邦の首相あたりにはわかったのじゃないのかな。だから、プレスリーの旅で陸軍病院(でしたでしょうか?)を訪問しているのは、気づいていますよ、という意味でもあったかも。


と、現状に関していえば、TBSは確かにへのつっぱりにもならないことをやったようではあるな、とはいえるのだが、この問題を妙に蒸し返すのもあまりいいことではないような気がする。お互いの感情を傷つけないやり方で語るためにはそれなりに学習してからの方がいいだろうと思うし、私たち、大半の国民は、自分たちが自分たちの父や叔父や兄や従兄弟やといった人の命をかけた行為を無にしたくない、悪く言われたくないのと同じように、相手だってそうだろう、ということは雑作もなく理解しあえる人たちだろうと私は信じるが、それでももう少し時間をかけて触るべきかと思う。ひとつの理由は、工作員がいるわけで、どういう具合にこうした「感情」問題を引っ張られるか気をつけたいという点(笑、とはいえないのが困る)と、あとは、アメリカ人の側の事情は日本より時間がかかるよ、という点か。


なぜなら、日本の場合は過去60年間もはやこれ以上の底はないほどに我が方の兵隊さんたちの悪口を言い聞かされてきたために、かなり対応力がある。無感覚という人もいるかもしれないが、その中で、むしろ、そうはいっても私は彼らを悪くはいわない云々と個々の決意みたいなものを醸成する期間を得た人もいると思う。対していえば、アメリカ人にとってWWIIはおおむね無傷のままだから、過去を振り返るにも時間が要るだろうと思う。


そういうわけで、繰り返しになるが、過去を上手に振り返らないと、今現在の仲まで壊してしまうかもしれませんよ、それは正邪では裁けませんよ、という意味を提示していると理解してもいいぐらいの発言だろうかと思う。(したがって、これを採用しようとしたTBSにそもそも無理があるか、より深い意図があるかだが、後者の知恵があるとは私自身は考えていない。)


唐突な言い方だが、ここから先私たちはたぶん、アメリカと日本の分断工作に合うはずじゃない、だって?

 対話と圧力


いいですね、これ。


対話と圧力/玄倉川の岸辺さん
http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/15ebc0f11c7bd40d152af427c3922476


「対話の余地は常に残しておかなきゃいけないんです。対話なしに解決できないんです」

by 小泉純ちゃん