寒い国のちょっと寒い医療体制

寒いんだか暖かいんだかわからない時分になると必ず風邪を引く。
結局春と秋に1回づつひいてる気がする。

鼻水に行きそうな、胸がちょっと苦しいようななので、エフェドリンが入ってるやつを2回飲んでなんとなくおさまった。もう少しがんばって起きていて、後はアセトアミノフェン大量投与でぶっ倒すように眠らせて直すという寸法らしいカナダ名物?の粉末の風邪薬を飲んで寝ようと思う。

こんなの。
http://www.neocitran.ca/en/
(写真をアップロードしたいのに、はてなのアップロードはなんでこんなに時間がかかるのぉ、なので中止。)


粉末の風邪薬って、何よそれと最初思ったのだが、これが効く。
冬になると一家に1箱みたいにあるんじゃないかと思う。冬が終わるとドラッグストアで必ず安売りをしているところを見ると、やっぱり冬季需要当て込みで仕入れているのじゃまいか。

ううう、具合わる〜と思ったら、マグカップに粉末を入れてお湯を注いであつ〜、あつ〜とか言いながらずるずる飲んで寝る。ノックアウトされたみたいに寝る。
レモンとかアップルシナモンとかの味がついている。おいしいわけもないのだが、風邪ひいてずるずるの場合には何か妙に安らぐ感じもちょっとある。


で、しかし、この薬を1袋全部入れて飲むと、翌朝身体が目覚めない感覚にみまわれる。泥沼に落ち込んで動けません、身体に力が入りません、意識はあるんですけど、みたいな感じになる。要するに強すぎるんだろうと思われる。


症状によっていろいろあって、咳、鼻に特化する場合はそれ用の薬が入っていて、でも要するに基本はアセトアミノフェンでぐったりさせるってことなんじゃないのかと思う。
強力とかになるとアセトアミノフェン 650mg とか入ってて、これってかなり多いでしょ?と思う。

これはやっぱり体重80キロ以上のおっさんでも効くようにできてるんだろうと思うわけで、基本は大人は大人の分量で大丈夫だと言われてはいるものの、小柄で細い日本人女性なんかは半分でいいんじゃないかと思う。私は普通のを適当に3分の2ぐらい飲むことにしてる。


私の風邪はそんなこんなで通常は適当に2日もすれば治るのしかないのだが、こういう寒いところで風邪なんかひこうものなら、場合によっては本当に命にかかわる人もいるわけで、風邪はしっかり治そうという意識はかなり高い。

インフルエンザと普通の風邪は違います、理解してますか、キャンペーンみたいなのがテレビCMが流れてたりもしたわ、そういえば。あと、毎年インフルエンザの予防注射をしろしろとうるさく言われたりもする。


とりあえず、相当くたびれた、相当に失敗したシステムだと私は真剣に心から、誠意を持ってきっぱりと、並々ならぬ情熱を込めてあっさりと言うが、それでも一応国民的医療体制があるので、インフルエンザの予防注射はどこか近場のなんとかかんとかセンターみたいなところに行くとしてくれます。無料なんだと思う(私はしたことがない)。が、この無料の影に私たちの重税が!!!と思うと無料という語に腹が立つ。

こういう具合に指定された注射とかは無料だけど、カナダの体制では薬は自分持ちなので、真剣な疾患のある人は薬代が相当に負担になります。あと、歯医者、目医者は別。これは完全に保険適用外。多くの人は会社負担で民間保険を付けてもらうか、自分で民間の保険を買う。この点はアメリカとまったく同じ。


そういうわけで、カナダには国民医療体制がありますという語を聞くと、日本のスタンダードから見た時、なにかこの、詐欺にあっているような感じがする。

私が思うに、カナダにあるのは国民医療体制があるというか、医療の国家管理化が非常に進んだ国だ、というだけではないのかと思う。民間の個人病院というのが本当に少ない。数が足りてないなんてものではない。

従って個人が便利に使える医療というのは非常に薄くて、大病院、大研究センターみたいなのに手厚くお金が行って、結果的に、カナダの医療水準は非常に高い、ばんざーい、とカナダを誇る人たちが言う。が、実際には、個々人のちょっとした不調には対応されておらず、ちょっとした風邪でも、ちょっとした捻挫でも、大病院の救急外来とかに行く人が後を後を絶たず(小さい病院つのがない。個人医は完全予約制みたいなのが多すぎる)、結果、血が出てるつのに、痛いってのに、子供が泣いてるってのに、救急外来で3時間も4時間も待つしかない、という事態が発生している。ず〜っとこう。


で、大きな病気の手術も待ち時間が長かったりするに及んで、民間の保険をしっかりかけていて多少余裕があれば、すぐ隣のアメリカに行って医療を受けるということになる。カナダには国民医療体制がありますとカナダ人が誇らしく言うと、アメリカ人に、だったらなんで国境付近の病院にはカナダ人がずらっと入院してんだよ、と言い返されるわけですね。


どうしてしっかりやれないんだろうなぁといつも思うが、結局中産階級の中から上の人は、いざとなれば隣にアメリカもあるし、あと、そういう地場の人、地元でしっかり根を張っている人は良いお医者さんをしっかり探せる、知ってる、ホームドクターもしっかりいて、そこを通して問題なく良い医療と接していられるというのもあるんだと思う(このコネクションがないから多くの都市民、特に移民してきた人なんかは、いざとなると緊急外来しか行くところがない)。で、この層に不満がないと世の中って動かないものだから、結局動かないんじゃないのかというのが私の一つの仮説。

そして、非常に皮肉なことに、コネクションのない人たちは、これ以上に効率的とか使いやすいとか安心できるとかのシステムがあるとは知らないので不満を上手に構成できない。まして、移民して来た人なんて(日本人とか西ヨーロッパを除けば)、今現在カナダにあるシステムがすべからく彼らの人生で最高という場合が多いため、不満に思えないという点も非常に重要。
(それやこれやで、でも、私の仮説が正しければ、ここは後1世代ぐらいしたら、いろいろ大変なことになると思う。)


いろいろ難しい局面にあるのは承知しているけど、日本って本当に目線の低い良い国だと思う。下々でもなんとか手にできるところになんでもある。


そして、なんだか、メディアとか見てるとそれを壊したがっているようにしか見えないと思うこともある。得がたいものを得ているという自覚がないんだろうなと遠くからそう思う。

15日に向けて欧州がなんだか忙しそうだ


15日の金融サミットを前に、なにかこの、サルコジ氏がまたまた元気に立ち働いているようだ。

「米ドル、もはや唯一の基軸通貨ではない」 仏大統領
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081114AT2M1401614112008.html


う〜ん。まぁその、あれだ、ま、そうなんだろうが・・・。う〜ん。


一方で、
Russia and Europe move closer on finance reform
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gGLI3KaBv5V1tbRaiVS92_g7nJlg

Sarkozy, Medvedev and European Commission chairman Manuel Barroso were to meet in the Sarde Palace in this Riviera resort for four hours before jumping in their planes and jetting off to Saturday's G20 summit in Washington.

ワシントンに立つ直前、飛行機に乗り込む4時間前に、ロシアのメドちゃんと、バロッソ欧州委員会委員長と3人でリヴィエラで会うらしい。


サルコジはロシアを説得するために会うのか、それとも、俺ら気があうような、で会うのか。どうなんでしょう。