余波はきっと続く

昨日の今日で、さてなんて新聞の[は]書くのかしらと楽しみにしていたアービング事件。


Jailing David Irving
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/LAC.20060221.EIRVING21/TPStory/Comment


この問題に関して関係ないとはとても言えないカナダのGlobe and Mail紙は、insider editionで、同紙としての見解のようなものを出していた。

This newspaper has always argued against criminalizing speech. A democratic society must allow people to voice even the vilest opinions if it wants to protect freedom of expression. Mr. Irving's is a textbook case.


この新聞は常に言論を刑事罰の対象にすることを問題にしてきた。民主的な社会では、もし言論の自由を守りたいのなら、人々はたとえその主張が不道徳だろうと声を上げることを許されなければならない。アービング氏の事件は典型的なケースだ。


ということだそうだ。
また、「 But to be hurtful and wrong should never be a crime.」、中傷的なことや誤ってることは犯罪ではない、とも言っている。


その上で、

The Holocaust is one of the best documented events in modern history. Refuting the Irvings of the world is not hard. Jailing them is always a mistake.

ホロコースト」は近代史の中で最も文書で立証されているケースの一つなんだから、アービングの世界観を覆すのは難しいことではない、獄に繋げるのは間違ってる、と締めている。


最も文書で立証されているか否かが結局争点じゃまいか、と思う人も当然いるわけだが、この論旨に対して、それは違うと言える人はあまりいないのじゃまいかと思ったりする。少なくともカナダ的には正論をかましてるなぁという感じか。一方で様々な考えや伝統を持った人がいるのですから云々といっておいて、考えただけで刑務所行きですという判断に賛意を与えるわけにはいかない。しかし、もちろん、ツンデルという邪魔者に居場所を与えないどころか追い出しておいて何を言うと言ってもいいわけではある。一応、G&Mは勢力的にこの件を追ってきたところであり、別に放逐賛成派だったわけではないことを記しておきたい。