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ほぼ一年前、カナダからツンデル(あるいはズンデル)という「際モノ」扱いされていたおじいさんが追放された。その時、私はこわごわエントリーをアップした。

http://d.hatena.ne.jp/Soreda/searchdiary?of=5&word=%a5%c4%a5%f3%a5%c7%a5%eb


で、その後日本の新聞がこの件を書いたかをトラックしていなかったのでなんともいえないのだが、もしかして、知らず存ぜぬのままだったか?


もしそうだとしたら、今起きているイランが風を送り、ムスリム連合が怒りの炎をもやしている事件がうまい図にならなくなるのじゃまいかなど思う。なんでかといえば、西側の欧州人たちがフリースピーチを言えばいうほど、表現を発表する機会は当然に与えられる云々と言えばいうほど、じゃあ何よツンデルって、アーヴィングって、歴史検証もダメ、やったら思想犯扱いってどーよ、という話になるからこそ、なんかぐじゃぐじゃなのだよ、だから。


そのツンデルは、2月9日付けのカナダの新聞によれば、ドイツでの裁判が再開されているようだ。去年秋に弁護士が解任されたかで裁判が止まっていた。

Zundel's German trial resumes
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20060209.wzundel0209/BNStory/International/home


こっちはガーディアン。
Trial of man charged with Holocaust denial resumes
http://www.guardian.co.uk/germany/article/0,,1706795,00.html


とりあえず、この問題がヨーロッパ人の喉に刺さった刺状態ではあるわけで、しかもそのメジャーなおっさんの出来事があがっていたりする。これは別に陰謀でもなんでもなく。


褒めてるわけじゃないが、カナダは短期的にはうまいことをしたものだなぁとは思う。邪魔者はヨーロッパに返しちゃった、と。しかしこれはこのままでは済まないだろうとは思う。安全保障に関連して市民権を与えなかっただけでなく追放したという、ある意味で非情に強硬な態度に出たという意味は、思想犯を取り締まったという意味なんだし、それは政治的な難民を受け入れるべきだ云々といった一般的な基調とは真っ向から対立する。それでいいならそれでいいわけだが、それでいいなら、それでよくない部分は必ず持ち上がる。こういうのはじんわり、やんわり、シミのように暗いものを落とすこともあってよ、など思う。